横須賀の地に誕生し60余年。確かな技術でこの町の住まいを造り、守り続ける。
式根島の基本情報 SHIKINEJIMA
概要
アクセス
気候について
観光スポット
イベント情報
式根島への移住・定住について
MIGRATION・SETTLEMENT
住居について
仕事について
教育と子育て環境について
医療と福祉について
生活とインフラについて
支援制度と補助制度について
式根島の概要
式根島(しきねじま)は、東京都の伊豆諸島に属する小さな離島です。
東京の南約160kmに位置し、行政区分では新島村に含まれています。
島の面積は約3.9平方キロメートル、外周はおよそ12kmと徒歩でも一周できるほどの大きさで、人口は約500人ほどです。
最高地点は神引山(かんびきやま、標高99m)で、島全体が豊かな緑に囲まれています。 リアス式海岸の入り江には魚介類が豊富で、透明度の高い海に恵まれています。
式根島は天然の温泉と美しい白砂のビーチが有名で、のんびりとした島時間を楽しめる癒しの島として人気があります。観光で訪れる方はもちろん、「東京から一番近い楽園」での島暮らしを求めて移住を検討する方もいる魅力的な島です。


アクセス
式根島へは船と飛行機+船の2通りの方法でアクセスできます。東京からの距離はありますが、意外とアクセス手段は整っており、旅のスタイルに合わせて選べます。
船でのアクセス
高速ジェット船(東海汽船)の場合
所要時間
東京・竹芝桟橋から直行便で約3時間
運行
1日1~2便(季節によって変動)
料金
片道約7,000~10,000円前後
詳細・予約
東海汽船
>>詳しくはこちら
大型客船(東海汽船)の場合
所要時間
所要約10時間(経由地により8~10時間半)
運行
毎日1便(夜出発、朝到着)
料金
座席等級により片道5,000~8,000円程度
詳細・予約
東海汽船
>>詳しくはこちら
下田経由のカーフェリー(神新汽船)の場合
所要時間
約3時間30分
運行
主に夏季に週数便が設定
季節運航ルートの場合
所要時間
熱海港から約1時間30分
運行
季節限定
※船便は天候に左右されるため、欠航の可能性も考慮して旅程に余裕を持つと安心です。
飛行機+連絡船でのアクセス
島には空港がないため、飛行機を利用する場合は隣の新島経由になります。調布飛行場(東京)から新中央航空の小型機で新島空港まで約35分。新島到着後、村営連絡船「にしき」に乗り換えて式根島へ向かいます。新島港から式根島野伏港までは船で約10~15分とあっという間です。連絡船「にしき」は1日3往復程度運航しており、予約不要で運賃も安価です(大人片道300円程度)。飛行機利用なら都心から約1時間で新島・式根島に到達でき、時間重視の方に適しています。
島内交通
式根島内には路線バスやタクシーといった公共交通機関はありません。移動は徒歩や自転車で十分ですが、島内はアップダウンが意外とあります。港周辺や集落ではレンタサイクルやレンタカー(軽自動車など)を借りることも可能です。電動自転車を利用すれば坂道も快適に移動できます。島内に信号はなく道幅も狭い箇所がありますので、車の運転時は徐行と譲り合いを心がけましょう。なお、島内にはガソリンスタンドがないため、車で来島する場合は燃料に注意が必要です(隣の新島で給油可能)。
気候について
式根島の気候の特徴
式根島の気候は黒潮の暖流の影響を受けた温暖な海洋性気候です。一年を通じて東京本土よりも冬は5~7℃ほど気温が高く、夏は海風のおかげで極端な暑さになりにくい過ごしやすい環境です。雪や氷が降りることはめったになく、「常春(とこはる)」とも形容される穏やかな気候が魅力です。
年間平均気温
約17〜18℃。最も暑い8月でも平均気温は28~29℃前後、寒い2月でも8~9℃程度です。真冬でも日中は二桁の気温になる日が多く、暖かい陽気に恵まれます。
降水量
年間降水量は1,500~2,000mmほどで、本州よりやや多めです。梅雨時期(6~7月)と台風シーズンの秋口に雨が集中しますが、それ以外の時期は天気の良い日が多いです。
風と台風
海上の島のため風が強い日もあります。冬から春先にかけて西寄りの季節風が吹き、塩害で窓ガラスが白く曇ったり車がさびやすくなることもあります。台風は8月~10月にかけて年に数回接近・通過することがあります。台風時は船便が欠航するため、生活物資の備蓄や住居の強風対策が大切です。
春(3月~5月)の気候
徐々に暖かくなり、島の草木が芽吹く季節です。日中は薄手の長袖や軽い上着で快適に過ごせます。海水はまだ冷たいですが、釣りやハイキングには最適な時期です。本州に比べ花粉飛散が少ないため、花粉症の方には過ごしやすい春と言えるでしょう。
夏(6月~8月)の気候
平均気温は25℃前後で、カラッとした暑さです。海水浴やダイビングなどマリンレジャーのベストシーズンで、多くの観光客が訪れ島も賑わいます。夜は海風が涼しく、満天の星空を楽しむこともできます。ただし日差しは強いので、日焼け対策は必須です。
秋(9月~11月)の気候
残暑が穏やかになり過ごしやすい気候です。9月でも海水温は高めで泳げますが、徐々に釣りや温泉巡りに適した季節に移ります。10月になると涼しい風が心地よく、釣りやハイキングに最適です。島は次第に観光客が減り静かな雰囲気が戻ります。
冬(12月~2月)の気候
平均気温8~12℃程度で、東京に比べるとかなり暖かい冬です。コートは必要ですが、日中は天気が良ければ散策も可能な穏やかさです。空気が澄み渡り星空観測には絶好の季節になります。島全体がオフシーズンで静かになりますが、その分ゆったりと温泉に浸かったり、島の自然を独り占めできる贅沢な時間を過ごせます。
観光スポット
小さい島ながら見どころが盛りだくさんの式根島。美しい入り江や天然温泉、絶景展望台など、島ならではの魅力を満喫できます。主な観光スポットをいくつかご紹介します。
泊海水浴場(とまりかいすいよくじょう):式根島を代表するビーチで、天然の入り江に白い砂浜が広がる「貝殻ビーチ」です。波が穏やかで遠浅のため子ども連れの家族にも人気が高く、夏にはたくさんの海水浴客で賑わいます。透明度抜群の海ではシュノーケリングで熱帯魚を見ることもできます。夕方には美しい夕日が海に沈む様子を眺められる絶景スポットです。
地鉈温泉(じなたおんせん):島でも屈指の有名な天然露天風呂。岩場を鉈(なた)で割ったような裂け目に湧く温泉で、海辺の岩場を掘ると熱い湯が出てきます。満潮時は海水が混ざり適温になる仕組みで、24時間無料で利用可能です。夜に入れば満天の星空、朝日が昇る時間帯には絶景の朝焼けを見ながら入浴できます。ただしアクセスは徒歩で山道を15分ほど下る必要があり、足場が悪いので注意。自然のままのワイルドな温泉体験ができる貴重なスポットです。
松が下雅湯(まつがした みやびゆ):港の近く、松が下公園にある露天温泉です。海岸沿いの岩場に区切られた湯船が二つあり、海を眺めながら入浴できます。湯温は少し高めですが、海水で調節可能です。無料・24時間利用でき、更衣室や照明も完備されているため初心者にも利用しやすい温泉です。夕方には周囲がオレンジ色に染まり、のんびりと海景色と温泉を堪能できます。
神引展望台(かんびきてんぼうだい):島の北部、神引山近くにある展望スポット。標高は高くありませんが、頂上の展望台からは式根島の集落や周囲の島々、青く広がる太平洋を一望できます。天気が良ければ新島や神津島はもちろん、遠く伊豆半島の山並みまで見渡せる絶景ポイントです。展望台へは道路沿いに駐車スペースがあり、そこから徒歩すぐ。島内のハイキングコースの途中にもなっており、自然散策の休憩に立ち寄るのもおすすめです。
この他にも、足付温泉(あしつきおんせん)や憩の家(いこいのいえ)といった温泉施設、海中がのぞける御釜湾(おがまわん)の展望スポット、歴史を感じる唐人津城(とうじんづじょう)跡や与謝野晶子歌碑など、見どころは数多く存在します。島全体がコンパクトなので、レンタサイクルなどで回れば1日あれば主要スポットをひと通り巡ることも可能です。観光協会おすすめのモデルコースも用意されていますので、興味のある方は式根島観光協会の公式サイト(http://shikinejima.tokyo/)も参考にしてみてください。
イベント情報
式根島および新島村内では、年間を通じて様々なイベントが開催されています。島ならではの伝統行事からスポーツイベントまで、旅行のタイミングが合えばぜひ参加してみましょう。主なイベントをいくつか紹介します。
式根島の主なイベント
1. 島民まつり(ゆうばま祭)
時期
毎年9月
概要
新島村(新島・式根島)をあげて開催される一大イベントです。毎年9月中旬頃、新島港の船客待合所前広場を会場に、地元住民と観光客が多数集まります。ステージでは子ども太鼓の演奏やダンスなどが披露され、屋台コーナーでは島の特産品や郷土料理が振る舞われます。夜には花火大会も行われ、式根島の野伏港からも打ち上げ花火を楽しむことができます。当日は式根島と新島を結ぶ連絡船にしきが全便無料になり臨時便も出るため、式根島の人々も気軽に参加できます。島内外の人々が交流する、島ならではの温かいお祭りです。
2.式根島マラソン大会
時期
毎年6月下旬予定
概要
島内を舞台に行われるアットホームなマラソン大会です。アップダウンのある島内特設コースを、島民も観光客も一緒になって駆け抜けます。足付地区の船客待合所付近をメイン会場に、沿道では地元の声援が飛び交います。離島ならではの絶景を眺めながら走れるとあって、全国からランナーが集います。完走後には温泉で汗を流す楽しみも。島の自然を肌で感じられるスポーツイベントです。
3. 温泉の日イベント
時期
毎年9月10日頃
概要
「温泉の島」式根島ならではのユニークなイベントです。9月10日の語呂合わせから「温泉の日」として、島内の温泉をテーマにした催しが行われます。具体的には野伏港や松が下雅湯周辺でのミニコンサート、温泉にちなんだクイズラリー、地鉈温泉の早朝清掃イベントなど、温泉の魅力を再発見できる企画が用意されます。参加者には温泉タオルのプレゼントがある年も。島民も観光客ものんびり温泉を楽しみながら交流できるイベントです。
4. 式根島花火大会
時期
毎年9月下旬予定
概要
観光シーズンの締めくくりを飾る花火大会です。9月下旬の夜、新島村の職員や有志が企画し、式根島港から色とりどりの花火が打ち上げられます。大規模ではありませんが、間近で見る花火は迫力満点で、島の夜空を鮮やかに彩ります。夏の思い出を締めくくるロマンチックなひとときで、毎年島内外から訪れた観客が見入っています。打ち上げ場所が近いため、体に響く花火の音も臨場感たっぷりです。
この他にも、クリスマスイベント(12月に島内各所でイルミネーション点灯やコンサート)や、島外で島の魅力をPRする式根島DAYS(秋に東京・日本橋で開催)など、多彩なイベントがあります。最新のイベント情報は式根島観光協会や新島村公式サイト(http://www.niijima.com)で随時告知されますので、興味のある方はチェックしてみてください。島の行事に参加すれば、より深く式根島の文化や人々の温かさに触れられることでしょう。
住居について
式根島の住居事情
小さな島である式根島では、住まい探しには少し工夫が必要です。民間の不動産業者やアパート物件がほとんどないため、移住希望者は空き家を活用した住居探しが一般的になります。新島村(式根島を含む)では島の空き家情報を集約した**「空き家バンク」**制度があります。移住・定住ポータルサイト「Flowlife」(https://flowlife.tokyo/)上で空き家バンクに登録された売買・賃貸物件の情報を閲覧することができ、興味のある物件があれば村役場に問い合わせて交渉・見学が可能です。式根島の物件数は多くありませんが、タイミングによっては古民家や空き別荘などが登録されることもあります。 また、新島村では**「定住化体験住宅」**という制度も設けています。これは、いきなり本格移住する前に島での暮らしをお試しできる体験用住宅です。最短6泊7日から利用でき、実際に式根島の生活環境を体験することができます。島暮らしが自分に合うか見極める良い機会となるでしょう。利用希望者は村役場企画財政課に申し込みが必要です。
住居確保のポイント
1. 賃貸物件の確保
島内の賃貸住宅は数えるほどしかなく、希望に合う物件がすぐ見つからない場合もあります。そのため、まずは空き家バンクに登録された物件にあたってみるのがおすすめです。空き家バンクには式根島の物件情報も掲載されており、条件に合えば賃貸または売買で借りる/購入することが可能です。こまめに情報をチェックし、気になる物件があれば早めに問合せてみましょう。
2. 空き家の活用
条件に合う賃貸が見つからない場合、自分で空き家を購入・改修して住む選択肢もあります。島には使われなくなった家屋も存在するため、空き家バンク経由で購入しリフォームして移住する方もいます。新島村空き家バンクでは、物件取得者向けに改修費用等の補助制度(後述)も用意されています。地元の工務店に相談すれば、島特有の気候に適した改修プランを提案してもらえるでしょう。
3. 暮らし始めるまで
島の住まいは本土とは勝手が違う面もあります。たとえば台風対策として雨戸が必須だったり、塩害で金属部のメンテナンスが必要だったりします。入居の際は前の持ち主や地元の方にアドバイスをもらいながら、島の気候に合った住み方を心がけると良いでしょう。
いずれにしても、式根島で理想の住まいを見つけるには情報収集と早めの行動が大切です。まずは新島村の「Flowlife」サイトや役場に相談し、島の住宅事情を把握することから始めましょう。島内に知り合いができれば非公開の空き家情報が入ることもあります。島ぐるみで移住者を歓迎してくれる雰囲気がありますので、遠慮なく相談してみてください。
仕事について
式根島を含む新島村での主な産業は、観光業・漁業・農業・**行政(公務)**などです。島内の求人は都市部と比べると多くはありませんが、最近では移住者向けの仕事の幅も少しずつ広がっています。
観光業
夏場を中心に観光客が訪れるため、民宿・旅館、飲食店、レジャーガイド(ダイビングや釣りガイドなど)といった職種の人手募集があります。観光シーズンだけの短期アルバイト募集もあり、夏の間だけ島で働く若者もいます。移住者が島でカフェを開業したり、ゲストハウスを運営するといったケースも増えており、観光客向けサービス業はチャンスのある分野です。島内にはスーパーや商店も数軒あり、そうした小売店でスタッフを募集することもあります。
漁業・農業
周囲を海に囲まれた式根島では古くから漁業が営まれてきました。現在でも定置網漁や一本釣り漁でトビウオやサバ、イカなどが水揚げされます。漁協や先輩漁師のもとで研修を受けながら漁業を始める移住者向け制度もあります(後述の「漁業後継者育成支援」参照)。農業に関しては、島の面積が小さいため大規模な農地はありませんが、サツマイモ(あめりか芋)や島唐辛子、明日葉(あしたば)などを小規模に栽培している方もいます。農業志望の方向けに、新島村では農業研修生への補助制度も用意されています。
公務・その他
島内の公共機関としては、新島村役場の出先機関(本庁は新島にありますが式根島にも駐在員がおり、出張所業務があります)、郵便局、診療所、学校などがあります。こういった公共分野では欠員時に村職員や非常勤職員の募集が行われることがあります。また、島全体を盛り上げるための国の制度である地域おこし協力隊の募集も不定期に行われています。観光振興や特産品開発、暮らしのサポートなど、島の課題解決に携わる仕事で、任期を経てそのまま島に定住する隊員もいます。
リモートワーク・ワーケーション
近年、島の美しい自然環境を生かしてワーケーション(仕事+休暇)の誘致にも力を入れています。式根島内の宿泊施設には高速インターネット環境を整備している所もあり、テレワークをしながら島暮らしを試すことも可能です。実際に、平日はオンラインで本土の仕事をこなしつつ、オフタイムは釣りや温泉を楽しむといった二拠点生活を送る移住者もいます。島内全域で無料Wi-Fiが利用できるわけではありませんが、観光協会や港の待合所などにフリーWi-Fiスポットがあります。携帯電話の4G回線も島内ほぼ全域で繋がります。リモートワークのインフラは徐々に整ってきていますので、IT系の仕事の方でも工夫次第で島で働くことは十分可能です。
仕事探しの情報源
新島村では「Flowlife」という移住定住ポータルサイト上で島内の求人情報も掲載しています。また、村役場や観光協会に問い合わせれば最新の求人状況を教えてもらえます。島民の紹介で仕事が見つかるケースも多いため、移住後は地域の行事や集まりに積極的に参加して顔見知りを作ることが大切です。島ならではの人脈が、思わぬ仕事につながることもあるでしょう。総じて、島での仕事探しには都市部以上に情報ネットワークとタイミングが重要です。
教育と子育て環境について
教育機関について
小さな島ですが、子どもたちはのびのびと育っています。式根島には**村立の保育園(式根島保育園)と村立小学校(式根島小学校)**があります。園児・児童数はとても少ないため、先生の目が一人ひとりに行き届き、家族のような温かい雰囲気の中できめ細かな指導が受けられます。運動会や学芸会などの行事も保育園・小学校合同で地域全体で盛り上げており、島ぐるみで子どもを見守り育てている環境です。
小中学校教育:現在、式根島には小学校まで設置されています。中学生については、従来は隣の新島にある新島中学校にフェリー通学していましたが、近年はICTを活用した遠隔授業や小中一貫教育の取り組みも進んでおり、式根島内で引き続き学べる体制が整いつつあります。少人数教育の利点を生かし、生徒それぞれの学習進度に合わせた指導が可能です。新島村立新島中学校・新島高等学校の先生方も連携して、島外の生徒との交流学習や合同行事が行われています。ちなみに高校は東京都立新島高等学校が新島にあり、2023年度から「島留学」制度を開始して島外(都内各地)からの高校生も受け入れています。式根島出身の子どもたちも高校進学時には新島や本土の高校に通うことになりますが、新島高校へ進学する場合は親元からフェリー通学または新島島内の寄宿先から通学するケースが多いです。東京本土の高校へ進学する生徒もいますが、その際は中学校卒業を機に島外へ下宿することになります。
子育て支援制度:人口の少ない島ですが、新島村では子育て世帯を手厚くサポートしています。児童手当は日本全国同様に中学校卒業まで支給されますが、加えて高校生相当年齢まで医療費無料化を実施しており、18歳以下の子どもの医療費自己負担分が全額助成されます。病気やケガの際に経済的負担を気にせず医療機関を受診できるのは大きな安心材料です。また、妊娠中の定期健診や出産にかかる費用についても、島外の病院に通う交通費や宿泊費の補助制度があります。具体的には、妊婦健診受診のため東京や大きな病院へ行く際の交通費を1回あたり上限3~4万円まで、年数回まで補助するといった内容です。出産の際の交通・滞在費も補助対象となります。離島で心配されがちな医療面ですが、こうした支援でフォローしています。
島ならではの育児環境:式根島は人と人との距離が近く、地域全体で子どもを見守る風土があります。道を歩けば顔見知りに声をかけられ、よその子でも皆で世話を焼いてくれるような昔ながらの温かさがあります。不審者とは無縁の安全な環境で、子どもたちは放課後に友達同士で海辺や山で元気いっぱい遊んでいます。自然が最高の遊び場であり先生です。星空観察や磯遊び、釣り体験など、都会ではできない体験を日常的にできるのは島育ちの特権でしょう。学習面でも、小中学校でタブレット端末(Chromebook)を導入したICT教育を実施するなど、最新の学びにも触れられるよう工夫されています。人数が少ない分、異年齢交流や島外の学校との交流行事も盛んで、子どもたちはのびのびとしつつも豊かな社会性を身につけています。
放課後の過ごし方:島内に学童保育施設はありませんが、その代わり地域の有志による**「こどもくらぶ」**が毎週金曜日の放課後に開催されています(場所は新島になりますが、式根島の子どもも参加可能)。島内外から講師を招いた工作教室やスポーツ教室など、多彩なプログラムが用意され、子どもたちの好奇心を育んでいます。保護者同士のつながりも強く、共働き家庭でも協力し合いながら子育てできる環境です。
総じて、式根島は少人数ならではのきめ細かな教育と、自然と地域に見守られた安心の子育て環境が整っています。子どもを伸び伸び育てたいと願う方には、穏やかな島の暮らしは魅力的に映ることでしょう。
医療と福祉について
医療について
離島で暮らす上で気になる医療環境ですが、式根島には島内唯一の医療機関として**「式根島診療所」があります。場所は野伏港から徒歩圏内の集落エリアで、医師と看護師が常駐しています。診療科目は内科・外科を中心に、簡易な診療や応急処置に対応しています。また月に数回程度、歯科医師が出張して歯科診療も行っています。小さな診療所のため入院設備はほとんどなく、手術など高度な治療はできません。重症患者や緊急を要する場合は、新島の本村診療所や本土の病院へヘリコプター搬送**となります。東京消防庁の消防防災ヘリや海上保安庁の救急搬送体制が整っており、必要時には速やかに専門医療機関へ移送されるので万一の際も安心です。
日常的な通院に関しては、風邪や軽傷であれば式根島診療所で対応可能です。より専門的な診察や検査が必要な場合、新島の本村診療所(内科・外科・小児科・耳鼻科・眼科・産婦人科・精神科・皮膚科・歯科など幅広く診療)を受診することになります。式根島から新島へは前述の連絡船にしきで15分程度ですので、日帰り通院も十分可能です。村では島外受診する際の交通費補助制度もあるため、負担を気にせず専門医療を受けに行くことができます。例えば妊婦検診や出産では本土の病院に通いますが、その際の船や飛行機代、宿泊費に補助が出ます。
福祉サービスについて
高齢者が多い島でもあるため、新島村では高齢者や障がい者向けの福祉サービスが充実しています。具体的には、在宅介護サービス(ホームヘルパー派遣、訪問看護、デイサービス、ショートステイ利用支援など)や、要介護高齢者向けの特別養護老人ホーム(入所施設)はお隣の新島に整備されています。式根島在住の高齢者も必要に応じて新島の施設を利用できます。また、島で暮らす高齢者向けには配食サービス(週数回の弁当宅配)も行われており、一人暮らしのお年寄りの食事を支えています。移動販売車による日用品や食品の巡回販売も定期的にあり、買い物弱者支援にも取り組んでいます。
障がいのある方への支援としては、障がい者手帳取得の手続き、各種手当支給、リハビリや就労支援の相談窓口などが用意されています。小さな村だからこそ行政と福祉職員、医療機関が連携し、一人ひとりの状況に寄り添ったサポートをしています。
安心して暮らすために
離島というと医療や介護が心配に思われるかもしれません。しかし、新島村全体で見れば必要なサービスは概ね揃っており、式根島住民もそれらを利用できます。緊急時の体制も整っているため過度に不安になる必要はありません。とはいえ、島内では限られた人員で診療・介護にあたっているため、普段から住民同士が助け合う意識も大切です。日頃から健康管理に気を配り、地域の見守りネットワークに参加することで、安全で安心な暮らしが送れるでしょう。
生活とインフラについて
日常生活に欠かせないインフラについて、式根島の状況を説明します。
電力
島の電力は東京電力が供給しています。新島と式根島は海底ケーブルで結ばれており、新島側の発電所(ディーゼル発電や太陽光発電設備など)から送電されています。近年は再生可能エネルギーの導入も進み、公共施設に太陽光パネルを設置するなどクリーンエネルギー化を図っています。通常時は本土と変わらず電気が使えますが、台風などで送電線に被害が出た場合は一時的に停電となることもあります。その際も予備発電機で最低限の電力は確保されます。
上下水道
昭和初期より自給の水道設備が整備されており、現在は島内の地下水や雨水を利用した水道システムで安定供給されています。普段の生活で水不足を感じることはありませんが、降雨が極端に少ない年には夏場に節水を呼びかける場合があります。島では水資源は貴重なものとの意識が高く、日頃から無駄遣いしないよう心がけられています。下水道は一部地域で簡易下水処理(浄化槽)が整備されています。トイレは水洗化されていますが、場所によっては汲み取り式を利用している家も残っています。
ガス
都市ガスの配管はなく、各家庭ではプロパンガスを使用しています。ガスボンベは島内の販売所から購入・交換します(本土からの輸送)。台所や給湯で使用する他、冬季にガスストーブを使う家庭もあります。ボンベ交換は業者が巡回して行ってくれるので不便はありません。IHクッキングヒーターなど電化製品を使う家庭も増えています。
通信・ネット環境
NTTの固定電話回線や光回線が島まで敷設されており、インターネットも利用可能です。現在は光ファイバーによる高速インターネットサービスが島内で提供されており、在宅で動画視聴やテレワークができる程度の速度は確保されています。携帯電話も主要キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の4G回線が島内で通話・通信可能です。5Gはまだエリア外ですが、日常利用には支障ありません。前述のとおり一部公共施設や飲食店では無料Wi-Fiスポットも提供されています。離島にいながらオンライン環境は整っていると言えます。
商業施設・買い物
式根島には大型スーパーやコンビニエンスストアはありません。食料品や日用品は島内の商店で購入します。代表的な商店としては、「井上みやげ店」「池村商店」「みやとら(ファミリーストアみやとら)」といったお店があり、食料品から生活雑貨まで一通り揃います。営業時間は朝から夕方~夜7時頃までで、24時間営業ではないため買い忘れに注意が必要です。生鮮食品の仕入れは定期船で行っており、週に数回本土や新島から新鮮な野菜・肉・魚が入荷します。品揃えは日によって異なりますが、島の人口規模を考えれば必要十分なものが手に入ります。どうしても島で手に入らない専門的な商品は、通信販売で取り寄せて船便で配送してもらうことも可能です。
郵便・金融機関
島内には郵便局(式根島郵便局)が1局あります。郵便局では郵便・ゆうパックの発送の他、ゆうちょ銀行の貯金窓口・ATMも利用できます。ATMは平日8:45~17:00、土曜は14時まで、日曜・祝日はお昼頃までの稼働となっています。現金の引き出しはこの郵便局ATMか、もしくは新島の郵便局・JAバンク等を利用する形になります。島内に都市銀行やコンビニATMはないので、大金が必要な場合はあらかじめ用意しておくと安心です。クレジットカードや電子マネーは、一部の宿泊施設やレンタサイクル店で使える場合もありますが、島の食堂や商店では現金のみのところが多いです。現金はある程度持参することをおすすめします。
交通インフラ
島内に信号機はなく、道路も集落と主要観光地を結ぶ範囲に限られます。先述のように公共交通はありませんが、島民はそれぞれ自家用車(軽自動車やバイク)や自転車で移動しています。道路は舗装されていますが、一部離合(すれ違い)が難しい細道もあります。運転に不安がある場合、島民同士で送迎し合う風土もありますので、困ったときはお互い様で助け合っています。島外への移動は基本的に船になりますが、新島経由で調布飛行場へ飛行機に乗れば都心まで半日以内で戻れます。意外かもしれませんが、「東京の島」なので都心との行き来もそれほど大変ではありません。急ぎの用事があるときは朝の連絡船と飛行機を乗り継げば当日中に東京へ行けますし、宅配便も本土と同様に利用できます(東京都内宛であれば発送の翌日配達が可能です)。
ゴミ・環境
ゴミ収集は新島村が行っています。島内では資源ごみ(空き缶・瓶・ペットボトルなど)と可燃ごみ、不燃ごみに分別し、決められた曜日に集積場へ出します。可燃ごみは新島の清掃施設で焼却、不燃・資源ごみは選別の上本土へ搬出されます。生ごみは各家庭で生ごみ処理機や堆肥化する人もいます。美しい島の自然を守るため、住民は環境美化に協力的で、年数回のビーチクリーンや集落清掃活動も行われています。
このように、式根島の生活インフラは必要なものはほぼ揃っており、離島だからといって極端に不便なことはありません。買い物や娯楽の面では本土のようにはいきませんが、その分ゆったりとした時間が流れ、人とのふれあいと自然豊かな暮らしが待っています。島ならではの工夫を楽しみながら、不便さも含めて豊かな生活を築いていけるでしょう。
支援制度と補助制度について
新島村(新島・式根島)では、移住定住の促進や産業振興のためにさまざまな支援策や補助金制度を用意しています。式根島への移住を検討する際にも活用できる主な制度をご紹介します。
定住化対策事業補助金
空き家バンクを通じて物件を取得し定住を図る方向けに、住まいの改修や解体等の費用補助があります。具体的には、空き家改修費の50%(上限100万円)、空き家除却(解体)費の50%(上限100万円)、敷地の伐開整備費の50%(上限50万円)をそれぞれ補助します。この制度を利用することで、古い空き家でも費用負担を抑えてリフォームでき、新生活のスタートを後押ししてくれます。利用には所定の申請と審査が必要で、条件等詳しくは村役場企画財政課に問合せできます。
農業振興支援補助
新島村内で農業に新規参入する人や既存農家に対し、経費の一部補助を行います。具体的には、生産経費補助として村が認定した農家に換金作物(商品として販売する農産物)の生産経費を上限50万円まで補助し、さらに農業施設整備補助としてビニールハウス等の設備導入費を上限100万円まで補助します。離島での農業は物流コストなど課題もありますが、この支援によってチャレンジしやすくなっています。式根島は耕地面積が限られますが、小規模でも農業を始めたい方は活用するとよいでしょう。
漁業後継者育成支援
漁師の世界に飛び込む移住者への支援策です。島内外から新たに漁業に携わる人を対象に、研修期間中の家賃補助を行っています。見習い漁師として収入が不安定な間、生活拠点の家賃の一部を村が負担することで、安心して漁業を習得してもらおうという制度です。期間・金額など詳細は年度によって異なりますが、意欲ある漁業志望者を島全体で応援する取り組みです。
地域力向上事業補助
地域の活性化につながる住民グループの活動に対し、上限50万円の補助金が交付されます。例えば、島の伝統文化継承のワークショップ開催、観光客誘致のためのイベント企画、環境保全活動など、幅広いテーマが対象です。地域住民が自主的に島を盛り上げる取り組みに対し、資金面でサポートする制度で、過去には式根島の若者グループが企画した島内スポーツ大会や、島民有志による特産品開発プロジェクトが採択されています。
子育て・医療支援策
前述のとおり、新島村では子育て世帯や医療費負担軽減のための独自支援があります。高校生相当まで医療費の自己負担を助成する高校生医療費助成制度、島外の病院受診時の交通費を1回につき4,000円まで補助(年8回まで)する島外受診交通費助成、里帰り出産など村外での妊婦健診費用を助成する制度、出産時の交通宿泊費補助など、きめ細かな支援メニューが揃っています。小児医療無料化や妊婦支援は子育て世帯にとって大きな助けとなるでしょう。
移住定住促進事業
情報提供と相談体制の整備も重要な支援です。新島村は移住希望者向けのポータルサイト「Flowlife」を開設し、空き家バンク物件情報、島内求人情報、定住体験住宅の案内などをワンストップで提供しています。また村役場には移住相談窓口が設置されており、移住に関する様々な相談に対応しています。東京の移住フェア等への出展や、実際に島を見てもらうための現地見学ツアー開催など、移住検討者へのサポートも積極的です。
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