神津島への移住・定住について
MIGRATION・SETTLEMENT
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神津島(こうづしま)は東京から南へ約180km、伊豆諸島のほぼ中央に位置する人口約1,700人の島です。
面積は18.58平方キロメートルで、島全体が富士箱根伊豆国立公園に指定されています。古くから**「神々が集う島」と呼ばれ、多くの神話伝承が残る神秘的な土地です。「物忌奈命(ものいみなのみこと)神社」や「阿波命(あわのみこと)神社」、龍神を祀る不動池など神話ゆかりの史跡**が点在し、有名な「水配り伝説」の舞台にもなっています。
島の中央には標高572mの天上山がそびえ、四季折々に花が咲き乱れることから「花の百名山」に選ばれました。山頂からはコバルトブルーの大海原を見渡せ、その美しい眺望は訪れる人々を魅了します。また、神津島は星空の美しさでも知られ、島全体が国際団体による東京都初の「星空保護区(ダークスカイ保護区)」に認定されています。夜には満天の星が降り注ぎ、まるで島全体が天然のプラネタリウムのようです。
自然豊かな神津島では、日々の忙しさを忘れ、ゆったりと流れる“島時間”を感じることができるでしょう。
- 船でのアクセス
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高速ジェット船(東海汽船)の場合
■ 所要時間
東京・竹芝桟橋から約3~4時間
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■ 詳細・予約
東海汽船
>>詳しくはこちら
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大型客船(東海汽船)の場合
■ 所要時間
東京・竹芝桟橋から約10~12時間
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■ 詳細・予約
東海汽船
>>詳しくはこちら
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下田経由のカーフェリー(神新汽船)の場合
■ 所要時間
約2時間20分
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■ 運行
主に夏季に週数便が設定
- 飛行機でのアクセス
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京調布飛行場から小型プロペラ機が就航しており、神津島空港まで約45分のフライトです。空の旅なら東京から1時間足らずで到着でき、天候が良ければ上空から伊豆諸島の美しい島々を眺めることもできます。島内の玄関口は前浜港(神津島港)で、船便は主にこの港に発着します。季節によって臨時便や寄港地が変わることもあるので、観光協会や船会社の情報を事前にチェックすると良いでしょう。
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島に着いた後の島内交通手段も整っています。島内には村営バスが運行しており、主要集落や観光スポットを結んでいるので手軽に利用できます。タクシーやレンタカーも利用可能で、道路網が整備され車や自転車での移動もしやすい環境です。島一周の環状道路はありませんが、島内の主要道路を使って観光名所を巡ることができ、車で主要スポットを回ってもおおよそ2時間程度の距離感です。島内に信号はほとんど無く渋滞とも無縁ですので、ストレスのないドライブを楽しめます。また、神津島港周辺には観光協会がありますので、到着後に地図を入手したりレンタカーの手配を相談したりすることもできます。
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神津島の気候の特徴
津島の気候は年間を通じて温暖で過ごしやすい海洋性気候です。黒潮(日本海流)の恩恵を受けており、冬でも東京都心より暖かく、夏は逆に涼しく感じられます。年間平均気温は17℃前後で、最も暑い8月でも平均約25℃、寒い1~2月でも平均9℃程度と極端な寒暖差がありません。東京に比べ夏はカラッとして過ごしやすく、冬も氷点下になることはまれです。
降水量は初夏から秋にかけて多めで、特に8月と10月に雨が増える傾向があります。もっとも真夏の雨はスコールのように短時間でザーッと降ることが多く、一日中降り続くことはあまりありません。台風シーズンの秋には海が時化て船便が欠航することもありますので、秋に来島される際は台風情報にも注意が必要です。
島のベストシーズンはやはり夏で、7月~9月は海水浴やマリンレジャーを楽しむ観光客でにぎわいます。とはいえ東京の都心のような猛暑日は少なく、海風が心地よい気候です。冬は空気が澄み渡り、先述のとおり星空が一段と美しく見える季節になります。防寒対策をしっかりすれば、冬の神津島で満天の星を仰ぐ贅沢な体験もできます。春や秋も穏やかな気候で、トレッキングや釣りなどアクティビティには最適です。年間を通じてマリンスポーツから山歩きまで楽しめるのが神津島の魅力と言えるでしょう。
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神津島には海・山・歴史のそれぞれに魅力あふれる観光スポットがたくさんあります。特に人気のスポットをいくつかご紹介します。
■ 赤崎遊歩道(あかさきゆうほどう):島の北西部、多幸湾近くの海岸沿いに整備された全長500mほどの木製の遊歩道です。途中に飛び込み台が設置されており、まるで海上アスレチックのように楽しめます。透明度抜群のエメラルドグリーンの海には熱帯魚も多く、シュノーケリングや飛び込み遊びで人気のスポットです。夏には家族連れや若者で賑わい、神津島らしい海遊びを満喫できます。
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■ 天上山(てんじょうさん):島のシンボルともいえる標高572mの山で、山頂から360度の大パノラマが望めます。山自体はそれほど高くありませんが、その景観はまさに絶景で、初心者からベテラン登山者まで楽しめるトレッキングコースとして人気です。火山由来の独特な地形で、山頂付近には砂漠のような白い砂地や天然の池も点在し、季節ごとに高山植物の花々が彩りを添えます。新東京百景や花の百名山にも選定されており、頂上から望む紺碧の海と島々の景色は一見の価値ありです。
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■ ありま展望台:島の西側高台にある展望スポットで、前浜海岸と天上山を一望できます。ここには「ジュリアの十字架」と呼ばれる高さ10mほどの大きな白い十字架が設置されており、夕陽に照らされる姿が印象的です。ジュリアとは江戸時代に神津島へ流刑となった女性キリシタン「おたあジュリア」のことで、島には彼女ゆかりの地も点在しています。この展望台は夕景ポイントとしても知られ、沈みゆく夕陽と島影のコントラストが美しいスポットです。
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■ はるか展望台:前浜海岸の白い砂浜を見下ろす位置にある小高い展望台です。目の前に広がる真っ直ぐな水平線と、眼下に弧を描く前浜の海岸線を望め、散策途中の休憩にも適した場所です。ベンチに腰かけて潮風に吹かれながら、ゆったり海を眺めるだけで日頃の疲れも癒やされるでしょう。
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■ 前浜海岸:島の代表的なビーチで、集落に隣接する白砂の海岸です。夏には海水浴場として開放され、遠浅で穏やかな海は子ども連れにも安心。夕暮れ時には茜色に染まる空と海が見渡せる絶好のサンセットスポットでもあります。毎年8月にはここで「渚の花火大会」が開催され、満天の星空と漆黒の海をバックに打ち上がる花火は格別です。
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■ 神津島温泉保養センター:錆崎地区にある日帰り温泉施設で、海沿いの岩場を活かした大露天風呂が名物です。湯船に浸かりながら澄んだ海と入り江を一望でき、夜は満天の星を仰ぎ見ることもできます。露天風呂は水着着用で男女混浴スタイルとなっており、カップルや家族一緒に入浴を楽しめます。内湯や休憩スペースもあるので、トレッキングや海遊びの後に立ち寄って疲れを癒す島民憩いの場となっています。温泉から眺める夕陽も絶景です。
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■ 神津島郷土資料館:島の歴史と文化を学べる資料館です。館内には考古学的に貴重な出土品や古文書、島民の生活用具、江戸時代の千石船の錨(なんと重さ300kgもあります)など様々な資料が展示されています。神津島の成り立ちや昔の暮らしぶりを知ることができ、天上山登山や島内観光の合間に立ち寄るのもおすすめです。入館は無料の日もありますので、気軽に島の歴史探訪を楽しめます。
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※このほかにも、物忌奈命神社(島の総鎮守で例大祭が有名)や、灯台のある沢尻湾展望台、迫力ある巨岩のぶっとおし岩など見どころは尽きません。美しい海でのダイビングや釣り、星空観察ツアーなどのアクティビティも充実しており、神津島ならではの大自然を満喫できるでしょう。
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島内では一年を通じて様々な伝統行事やイベントが開催され、観光で訪れる方も地元の祭りに触れる機会がたくさんあります。
主な年間イベントを時期順にご紹介します。
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神津島の主なイベント
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1. 乗り初め
■ 時期
1月2日
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■ 概要
新年に行われる漁の安全と大漁を祈願する行事です。船上からみかんやお菓子を撒いて海の神様に奉納し、多幸湾の三浦漁港では餅つき大会も行われます。お正月の神津島ならではの風物詩です。
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2. 神津えびね展
■ 時期
4月上旬~中旬
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■ 概要
島に自生するエビネ蘭の展示会で、愛好会による約100鉢もの色とりどりのエビネが並びます。即売会や抽選会もあり、春の訪れを告げるイベントとして島内外から花好きが集まります。
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3. 長浜祭り
■ 時期
4月15日
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■ 概要
集落の一つ長浜地区にある阿波命神社の例祭です。神事の後、地元の家族や親戚が浜辺でバーベキュー(島では「どんたく」と呼びます)を楽しむ伝統的なお祭りです。浜辺に笑い声と美味しそうな香りが広がり、島の人々の絆を感じられる行事となっています。
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4. 物忌奈命神社例大祭
■ 時期
7月31日~8月2日
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■ 概要
島で最も盛大な夏祭りです。7月31日の宵宮では神社境内に夜店が立ち並び、祭りの雰囲気を盛り上げます。8月1日と2日の本祭では子ども神輿3基と山車1台が村中を練り歩き、フィナーレには前浜の船揚場で神輿ごと海に入って清めるという勇壮な神事が行われます。海に担ぎ込まれた神輿とそれを追う男衆の姿は圧巻で、神津島の夏のハイライトです。
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5. 神津島マリンフェスティバル
■ 時期
8月上旬
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■ 概要
お盆前後の時期に渚の花火大会や神津島太鼓の祭典が開催されます。花火大会では前浜海水浴場の夜空に大輪の花火が打ち上がり、島内外から訪れた多くの人々で賑わいます。太鼓フェスティバルでは地元の神津島太鼓チームと本土から招いた和太鼓団体が競演し、力強い太鼓の音色が島中に響き渡ります。夜店も出て夏祭りムード満点です。
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6. 盆踊り大会
■ 時期
8月中旬
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■ 概要
お盆の時期には島民総出で盆踊り大会が行われます。会場では屋台も並び、地元の方言の盆歌に合わせて老若男女が踊りの輪を作ります。観光客も飛び入り歓迎で、一緒になって踊れば島民との交流の思い出になります。
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7. おたあジュリア巡礼
■ 時期
11月
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■ 概要
江戸時代に流刑となり島で生涯を終えたキリシタン女性「おたあジュリア」を偲ぶ巡礼ミサが毎年行われています。島外からもカトリック信者が訪れ、彼女の遺徳を讃えて祈りを捧げます。厳かな雰囲気の中で歴史に思いを馳せる行事です。
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この他にも、島内の小中学校の運動会やマラソン大会、島民参加のビーチクリーンや季節ごとの体験イベントなど、規模の大小様々な催しがあります。特に夏場はイベントが集中しますので、観光で訪れる際は事前に神津島観光協会のイベントカレンダーを確認すると、その時期ならではのお祭りを楽しめるでしょう。
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神津島の住居事情
神津島での住まい探しは、本土とは勝手が異なる点があります。島内の集落は港のある南西部に集中しており、その周辺に住宅地が広がっています。賃貸物件や売り家の数は多くないため、**神津島村役場が運営する「空き家バンク」**を利用して探すのが一般的です。空き家バンクには現在空いている住宅や土地の情報が登録されており、移住希望者は問い合わせることで賃貸や購入の交渉ができます。掲載物件は少なめなので、移住を検討する方は定期的に情報をチェックすると良いでしょう。
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家賃相場について、大型の民間賃貸アパート等はほとんどありませんが、公営住宅や戸建て賃貸がいくつかあります。土地の価格は平均で坪あたり約2万円程度(1坪≒3.3㎡)と都内では格安ですが、出物自体が限られるため、希望に合う物件を見つけるには根気が必要です。島には不動産屋が少なく、物件探しは基本的に役場(産業観光課など)や空き家バンク経由となります。近年、新島や式根島では移住者向けの新築村営住宅が整備され話題になりましたが、神津島でも空き家の有効活用を重視しており、空き家の改修費補助制度を設けています。老朽化した空き家を購入または賃借して住む場合、リフォームや解体にかかる費用の一部を村が助成してくれる制度で、2017年から開始されました。補助率は通常経費の1/2(長期間定住する場合は2/3)で、補助上限額も定められています。この制度を活用すれば古い家屋も比較的低コストで快適に改修でき、移住希望者には心強い支援となっています。
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島内には不動産情報が少ない分、**「人のつながり」**も重要です。役場や地域おこし協力隊に相談したり、島の知人を通じて空き家を紹介してもらえる場合もあります。移住体験住宅やゲストハウスに長めに滞在して、島の生活に慣れながら住まいを探す方もいます。いずれにせよ、神津島で理想の住まいを見つけるには早めの情報収集と柔軟な計画が大切です。田舎暮らしらしく、都会のように条件に合った部屋がすぐ見つかるわけではありませんが、自然に囲まれた環境でゆったり暮らしたい方にはきっと満足できる住居が見つかるでしょう。
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神津島の主な産業は漁業・農業・観光業で、島ならではの職種が多いのが特徴です。特に漁業は盛んで、神津島の漁獲高は伊豆諸島の中でもトップクラスを誇ります。周囲の海は魚介類の宝庫で、季節ごとにキンメダイ、トビウオ、タカベ、サザエや海藻など様々な海の幸が水揚げされます。そのため漁協関連の仕事や、獲れたての魚を提供する民宿・飲食店などでの求人が比較的見られます。観光業では宿泊施設(旅館・民宿・ゲストハウス)やダイビングショップ、レンタカー会社などが営業しており、夏季シーズンを中心にスタッフ募集が行われます。また島内唯一の酒造所で島焼酎を製造したり、島レモンや明日葉(あしたば)といった農産物を栽培する農家もあります。近年では島産明日葉を使ったクラフトビール醸造所が誕生するなど、新たな産業の芽も出てきています。
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ただし、島全体の求人数は多くなく、給与水準も都市部に比べると低めなのが実情です。島内で安定した職に就くには、公務員(村役場職員や学校教員など)や医療・福祉関係(診療所スタッフ、保育士等)といった職種も検討すると良いでしょう。これらは欠員募集のタイミングが限られますが、島で長く働きたい方には人気の職業です。また、リモートワークが可能な仕事を持ち込んで移住する人も増えてきました。高速通信回線が整備されつつある神津島では、自宅でテレワークをしながらオフタイムに釣りやダイビングを楽しむライフスタイルも実現可能です。実際に島にはフリーランスのクリエイターや、ワーケーションで長期滞在するIT技術者の姿も見られます。
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移住当初はアルバイトや短期の仕事から始め、島の人脈を広げて自分の天職を見つけたという移住者もいます。農漁業の手伝いや島ならではの副業(例えば夏は観光ガイド、冬は漁業など季節で仕事を掛け持ち)もよくあるスタイルです。島での仕事探しはハローワークや東京の島しょ地域ポータルサイトでも情報提供がありますので、「神津島村の求人情報」をチェックしてみてください。島ぐらしは収入面では質素になるかもしれませんが、その分、雄大な自然に囲まれた充実感やコミュニティの温かさが何にも代え難い魅力です。
- 教育機関について
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神津島は小さなお子さんから高校生まで島内で教育を完結できる珍しい島です。島内には村立の保育園が1園、小学校1校、中学校1校、そして東京都立の神津高等学校が1校あります。離島では高校が無い島も多い中、神津島では高校まで地元で通学できるため、子育て世代にとって安心できる環境と言えます。各校の全校児童・生徒数は決して多くありませんが、その分アットホームで先生や地域の目が行き届き、**「島全体で子どもを育てる」**風土があります。例えば運動会や学芸会など学校行事には地域の大人たちも協力し、まるで大家族のように子ども達の成長を見守っています。情報通信環境の整備にも力を入れており、島内の学校にはオンライン学習設備やタブレット端末も導入され、へき地でも質の高い教育が受けられるよう工夫されています。
- 子育て環境について
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子育て支援制度も充実しています。医療面では18歳以下の子どもの医療費は全額公費負担となっており、通院・入院ともに無料で受けられます。また児童手当も支給され、所得にもよりますが中学生まで月1万円(一部年齢や第3子以降は月1万5千円)の手当が支給されます。さらに神津島独自の支援として、出産に際して本土の病院を利用する場合の交通費・宿泊費補助制度があります。島内には分娩設備がないため、多くの妊婦さんが本土で出産しますが、その費用負担を軽減するためのものです。産前産後のケアも手厚く、「こんにちは赤ちゃん訪問」では保健師など専門職員が新生児のいる家庭を訪問して育児相談に乗ってくれます。産後のお母さん向けには理学療法士による「女性向けリフレッシュ体操教室」が開催され、産後の体力回復やリラックスをサポート(託児サービス付きで安心です)。さらに一時的に子どもを預かってくれる乳幼児一時預かり制度もあり、生後6か月から預けることができます。病気や冠婚葬祭時はもちろん、リフレッシュ目的でも利用でき、比較的安価にお願いできます。未就学児がいる家庭には、ヘルパーさんを派遣して家事や育児を手伝ってくれる「家事育児サポーター派遣事業(よちよち応援隊)」もあり、地域ぐるみで子育て家庭をフォローしています。
子ども達の遊び場も島内に多数あります。公園や体育館はもちろん、村主催で親子向けのイベントやサークル活動も盛んです。海や山がすぐそばの神津島では、放課後や休日になると子ども達が釣りをしたり探検ごっこをしたりと、大自然の中でのびのびと遊ぶ姿が見られます。塾や習い事の選択肢は本土ほど多くないものの、その分自然や地域交流から多くを学べる環境と言えるでしょう。待機児童もほとんどおらず、希望すればスムーズに保育園に入園できる状況です。島ぐらしで得られる豊かな体験は、きっとお子さんの心を大きく育んでくれるはずです。
- 医療について
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離島で暮らす上で心配になるのが医療体制ですが、神津島には村立の診療所(神津島村国民健康保険直営診療所)があります。所在地は集落中心部で、内科・外科・小児科など一般診療を平日中心に行っています。常勤医師がおり、必要に応じて大学病院などから専門医の派遣も受けています。診療所では高血圧や糖尿病など生活習慣病の管理から、軽い外傷の処置、風邪・発熱時の診察まで地域のかかりつけ医としての役割を果たしています。設備や対応できる範囲は限られますが、急患の場合は防災ヘリコプターや海上保安庁のヘリで本土の病院へ搬送される体制が整っており、いざという時も適切な医療につなげてもらえます。また、村の保健医療課では定期的に健康診断や予防接種を実施し、島民の健康増進に努めています。高齢者向けには訪問診療や訪問看護の仕組みもあり、介護が必要な方へのフォローも行われています。
- 福祉について
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福祉面のサポートもきめ細かいです。高齢者には「老人クラブ」やデイサービスセンターがあり、買い物支援や見守り活動など地域ぐるみでお年寄りを支える仕組みがあります。住宅面では高齢者住宅改造費助成といって、手すりの取り付けや段差解消などバリアフリー改修に補助金が出る制度も利用できます。障がいのある方への支援も東京の制度と連携して行われており、福祉タクシー券の配布や島外の専門施設受診時の補助なども整えられています。子育て支援については前述のとおり非常に充実していますし、妊婦さんからお年寄りまでライフステージに応じた行政サービスが行き届いている印象です。
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島にはドラッグストアはありませんが、薬は診療所で処方を受けるほか、日用品店で市販薬を取り扱っています。夜間の急病時は診療所の当直看護師に連絡すれば対応の案内をしてもらえますし、必要なら医師を自宅へ呼ぶ往診体制もあります(島内全域が「在宅療養支援診療所」の範囲です)。福祉面では、村の福祉課や社会福祉協議会が中心となり、介護予防教室や子育てサロンの開催、地域交流イベントなど住民同士の支え合いを促進しています。小さな島だからこそ「お互い様」の精神が根付いており、困ったときはお互い助け合う風土が日常生活の中にあります。医療・福祉の公的サービスと、地域コミュニティの助け合いが両輪となって、安心して暮らせる環境を作り上げているのが神津島の魅力です。
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神津島での生活インフラは基本的に必要なものは揃っています。電気・ガス・水道などのライフラインは島内で確保されており、水道水は島の豊富な地下水が源です。神津島の湧き水は「東京の名湧水57選」に選ばれるほど水質が良く、水不足になりにくい恵まれた環境です(※近隣の新島から海底送水管で水を融通し合う体制もあります)。電力はディーゼル発電所により24時間安定供給されています。インターネット回線も近年光ファイバーが整備され、在宅で動画視聴やリモート会議も問題なく行える速度が出ています。携帯電話も大手各社の電波が島内ほぼ全域で繋がり、役場周辺では公衆Wi-Fiスポットも利用可能です。
■ 日常のお買い物事情
島には大型スーパーやコンビニチェーンはありません。その代わり食品や日用品を扱う中小のスーパーや商店が数軒あり、普段の買い物はそこで事足ります。代表的なのは「スーパーまるはん」で、新鮮な魚介を使ったお寿司や総菜が人気です。他にも個人経営の商店やお土産物屋さんが集落に点在し、地元野菜やお弁当、雑貨などを購入できます。意外なことに100円ショップ(Can★Do)のコーナーも島内にあり、細かな日用品も手に入るので便利です。全体的に本土より物価はやや高め(輸送コストがかかるため)ですが、その分島ならではの食材や特産品が手に入る楽しみもあります。例えば島唐辛子を漬け込んだ調味料や、島レモンを使ったスイーツ、くさやや島焼酎など、旅のお土産にもなるユニークな商品が並んでいます。
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■ 金融機関
七島信用組合の神津島出張所と**郵便局(ゆうちょ銀行)**が利用できます。どちらもATMを併設しており、平日日中であれば現金の出し入れが可能です(ATM稼働時間は郵便局が平日8:45~17:00、信用組合が平日8:45~18:00となっています)。土日も短時間ですがATMが動いているので観光客も安心です。なお、クレジットカードや電子マネーは一部の宿泊施設・店舗で使えますが、小さな商店など現金のみのところも多いので注意しましょう。
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■ 物流・通信面
郵便局が島唯一の郵便サービス拠点で、ゆうパックなど荷物の発送・受け取りもここで行います。ヤマト運輸の宅配便も利用可能で、観光協会や代理店が窓口対応しています。島から荷物を本土に送る際は船便に載せる関係で受付時間に締め切りがありますが、日常的に島民も利用しており、大型家具を取り寄せたりネット通販の商品を受け取ることもできます。船が欠航すると郵便や宅配にも遅れが出る場合がありますので、天候による遅延は離島生活のご愛嬌と言えるかもしれません。
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■ 生活インフラ
普段の生活インフラとしては、ゴミの収集日は週数回あり、家庭ゴミは決められた日に集積所へ出します。島内に焼却施設や最終処分場が整備されているため、基本的なゴミ処理は島で完結しますが、粗大ゴミやリサイクル家電などは役場に問い合わせて適切に処分します。上下水道も本土と同様に使えますし、最近では下水処理施設の整備も進み環境保全に寄与しています。
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総じて神津島のインフラは、小さな村ながら必要十分な暮らしの基盤が整っていると言えます。都市のような24時間営業の店こそありませんが、その分ゆったりとした時間の流れの中で生活できます。朝は漁協の放送でその日の魚の水揚げ情報が流れ、夕方には島民みんなでラジオ体操、といった島独自の暮らしもあります。自然と共存し、不便さを工夫で補いながら営む島暮らしは、きっと心豊かなものになるでしょう。
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神津島村では、移住希望者や子育て世帯、学生などに向けてさまざまな支援制度や補助金制度を用意しています。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
■ 住まいに関する支援
空き家バンクを活用して移住する場合の支援策として、前述の空き家改修補助や定住化促進交付金があります。老朽空き家のリフォーム費用や除却(解体)費用、敷地の整備費用の一部を村が負担してくれる制度で、補助率は通常1/2(長期居住条件で2/3)となっています。例えば100万円の改修なら50万円が補助される計算です(上限額あり)。この制度を利用することで、移住初期の住宅整備コストを大幅に抑えることができます。また、新築住宅を建てる際にも助成金が出る場合があり、詳しくは企画財政課に相談できます。さらに、高齢者世帯向けには住宅改造費助成制度があり、手すり設置やバリアフリー改修に対して費用の一部補助があります。
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■ 子育て・出産に関する支援
子育て世帯への経済的サポートも手厚いです。先述の医療費助成や児童手当に加え、出産祝金の支給があります。これは神津島でお子さんが生まれた際に村からお祝い金がもらえる制度で、第1子・第2子・第3子以降でそれぞれ定められた額が支給されます(例えば第1子は◯万円、第2子は◯万円…といった形。※具体的な金額は年度によって変更される可能性があります)。また、出産前後支援事業として本土での分娩に要した交通費・宿泊費の補助や、産後の家事支援サービス利用券の配布なども行われています。保護者のリフレッシュ目的で子どもを一時預かりする費用も補助対象になるなど、経済的・実務的に子育てをバックアップする制度が整っています。
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■ 教育・進学に関する支
島の高校を卒業した後、専門学校や大学等へ進学する若者に対しては奨学金貸付制度があります。神津島村奨学金は返還免除規定もあり、将来島に帰ってきて働く意思のある学生には返還が免除または猶予される場合があります(詳細な条件あり)。また、高校に在学する生徒には就学支援金や通学定期代の一部補助など、経済的負担を減らす措置もあります。小中学生の学用品費や給食費を援助する就学援助制度も用意されており、家庭の事情に応じて支給されます。
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■ 移住促進・就業に関する支援
東京都の施策として、東京23区から島しょ地域への移住者に最大100万円(世帯の場合、単身60万円)の移住支援金が支給される制度があります(国の地方創生推進事業の一環)。神津島村もこの対象地域に含まれており、島内で一定期間定住し地元就職することなどの条件を満たせば申請可能です。さらにはUIターン者向けの就業支援研修や、島内企業への就職でお祝い金が出るケース(期間雇用から正規雇用への転換支援等)もあります。漁業就業希望者には東京都の離島漁業研修制度があり、研修中の住居や生活費がサポートされる制度も利用できます。