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島嶼部の基本情報

BASIC INFORMATION

御蔵島の基本情報 MIKURAJIMA

概要 アクセス 気候について 観光スポット イベント情報

御蔵島への移住・定住について MIGRATION・SETTLEMENT

住居について 仕事について 教育と子育て環境について 医療と福祉について 生活とインフラについて 支援制度と補助制度について
御蔵島(みくらじま)は、東京都心から南へ約200kmの太平洋上に浮かぶ伊豆諸島の一つです。
島の面積は約20.5平方キロメートルで、人口はおよそ300人ほど(2020年時点で331人)と、小規模な島です。島内の集落は北部の港周辺(通称「里」)にまとまっており、島民のほとんどが徒歩10分程度のエリアに暮らしています。全域が富士箱根伊豆国立公園に指定されており、島は高さ数百メートルにも及ぶ断崖絶壁に囲まれた地形が特徴です。島の最高峰は御山(おやま、標高851m)で、そこから豊富な湧き水が流れ出し島の森を潤しています。島周辺の海域には古くから野生のミナミハンドウイルカ(ハンドウイルカの一種)が生息し、森には照葉樹の原生林が生い茂るなど、イルカと原生林の両方で知られる神秘的な島です。
島の人々は昔から自然を大切に守ってきており、そのおかげで御蔵島には手つかずの豊かな自然が現在も残っています。
島民同士の結びつきも強く、人口は少ないものの子どもからお年寄りまで顔見知りで助け合い、のんびりとした暮らしが営まれています。
御蔵島へは、船・航空機を利用してアクセスできます。
【船でのアクセス】
東京・竹芝桟橋から東海汽船の大型客船「橘丸(たちばなまる)」が毎日就航しています。夜22時30分に竹芝桟橋を出航し、翌朝5時55分頃に御蔵島港へ到着するダイヤです(復路は御蔵島発12時35分 → 東京着19時40分)。船は途中で三宅島と八丈島にも寄港し、夏期の上り便(八丈島発東京行き)は大島にも寄港します。所要約7時間半の船旅で、寝台や座席で夜を過ごしながら向かいます。
【航空機でのアクセス】
御蔵島には空港がありませんが、ヘリコプターの定期便(東京愛らんどシャトル)で近隣の島経由でアクセスできます。二通りのルートがあり、ひとつは東京・調布飛行場から小型機で大島へ飛び、大島から東邦航空のヘリで御蔵島に渡る経路です。もう一つは東京・羽田空港から飛行機で八丈島へ行き、八丈島からヘリで御蔵島に向かう経路で、こちらは所要時間も比較的短く日中に移動できます。ヘリコプターは毎日1便ずつ運航しており、八丈島経由の場合は八丈島発11:00→御蔵島着11:25、御蔵島発14:45→八丈島着15:10といったダイヤです。大島経由便も同様に1日1便運航しています。ただしヘリの座席数(9席程度)が限られるため予約は早めが無難です。
【注意点】
御蔵島は外洋に位置し港が一箇所しかないため、海が時化れば船が欠航になることもしばしばあります。悪天候時には到着できない日もあるため、船で訪れる際は日程に余裕を持つことがおすすめです。最新の運航状況は東海汽船公式サイト(http://www.tokaikisen.co.jp)で確認できます。また島内には定期の公共交通機関はなく、移動は徒歩が基本です。集落はこぢんまりとして徒歩圏内ですが、山道や遠方へ行く場合は宿の送迎車や島民の車に同乗させてもらう形になります。なお、島内での自転車の使用は禁止されているのでご注意ください。
御蔵島の気候の特徴
御蔵島は黒潮の恩恵を受けて冬でも比較的温暖な海洋性気候です。夏場も海からの風が吹き抜けるため都心ほど酷暑にはならず、真夏日でも夜になれば過ごしやすくなります。一方で降水量は非常に多く、年間を通じて雨の日が多めです。特に森にまとわりついた雲から細かな雨が降る「霧雨」のような天気もしばしば見られます。そのうえ風も強いため、傘をさしても役に立たないこともあります。雨具としてはレインコート(カッパ)を用意しておくと安心です。島は切り立った崖が多いため地形性の雨も多く、島内には常に豊富な湧き水が流れ出ています。その水資源は島の水道や小規模な水力発電にも活用されており、離島では珍しく水不足の心配が少ない恵まれた環境です。
台風のシーズンには強風高波で船便が止まりやすい点にも注意が必要です。
全般に島の気候は「雨が多いが緑濃く、水と森に恵まれた南の島」といったところです。
手つかずの自然と野生のイルカに出会える御蔵島は、エコツーリズムの宝庫です。代表的な見どころをいくつか紹介します。
野生イルカのウォッチング&スイム:御蔵島最大の魅力は、何と言っても野生イルカとの出会いです。島周辺の海域は世界有数のイルカ生息地で、年間を通じてミナミハンドウイルカの群れが暮らしています。島ではイルカウォッチング船ツアーや、一緒に海に入って泳ぐ「ドルフィンスイム」ツアーが大人気です。春から秋の穏やかな時期がドルフィンスイムのベストシーズンとされ、イルカたちの機嫌が良ければ間近で泳ぐ姿を観察できます。参加時には地元ガイドからルールや安全講習を受け、野生イルカにストレスを与えない範囲で触れ合いを楽しみましょう。
白滝(しらたき):島の西側にかかる高さ約80mの滝で、絶壁を流れ落ちる様子が豪快です。断崖に遮られて陸路では近づけないため、見学するには船に乗って海上から眺めるしかありません。水量が多く枯れることがない滝で、晴天が続いて他の沢が涸れても白滝だけは水を落とし続けるといわれます。イルカウォッチング船に乗ると、ポイントへの行き帰りに白滝の迫力ある姿を海から見ることができます。
タンテイロの森:集落から歩いて行ける距離にある自然散策路で、御蔵島では唯一ガイドなしで自由に入れる山のコースです。鬱蒼と茂る照葉樹林には樹齢数百年級のスダジイの巨樹が立ち並び、運が良ければ天然記念物のイイジマムシクイ(鳥の一種)など島固有の野鳥の姿も観察できます。御蔵島では2004年に「御蔵島自然環境保全条例」が制定され、過剰な踏み入れによる自然破壊を防ぐため原生林に入る際は東京都認定の自然ガイド同行が義務付けられています。タンテイロの森はその中で例外的に開放されたコースで、島の森のパワーと静けさを気軽に体感できるスポットです。
えびね公園:島の北東部にある小さな自然公園で、希少なランの花々が見られます。特に伊豆諸島固有種のニオイエビネラン(香りの良いランの一種)の自生地として知られ、御蔵島と神津島にしか自生していなかったものが、乱獲で激減したため柵で囲んで保護・増殖を図っています。園内ではニオイエビネの他にもセッコク、ナゴラン、マメヅタランといった着生ランが見られ、春~初夏にかけて可憐な花を咲かせます。入園無料で散策でき、ランの香りに癒やされるスポットです。
稲根神社(いなねじんじゃ):島の守り神を祀る由緒ある神社で、創建年代は不詳ですが江戸時代の1695年に社殿建立、1861年に改築の記録が残る古社です。場所は港から車で20分ほど山側に登った所にあり、社殿へ向かう参道は原生林の中に延びています(こちらも条例によりガイド無しでは立ち入れません)。毎年8月には島最大の祭礼「稲根神社例大祭」が執り行われ、島民はもちろん島外からの出身者も集う一大イベントとなります。普段も子どもの成長祈願(入学時のお参り)など節目節目に多くの島民が訪れる神聖なスポットです。境内には、1863年に御蔵島で座礁した米国船「バイキング号」の錨が奉納・展示されており、島の歴史を物語るものの一つとなっています。最近では御朱印(神社の印章)も開始されたそうなので、希望する場合は事前に社務所へ問い合わせてみてください。
その他の見どころ:集落内には東京都内最古級(約6000年前、縄文時代)の竪穴住居跡が発見された「ゾウ遺跡」と呼ばれる史跡があります。港近くの断崖上の畑地で発掘されたもので、都指定史跡として保存されています。集落から少し坂を登った場所に「イルカの見える丘」と呼ばれる小高い丘もあり、眼下に御蔵島港とコバルトブルーの海、天気が良ければ北に隣接する三宅島を望むことができます。運が良ければそこから野生イルカの群れが海面に現れる様子を見られることもあり、島を訪れたら一度は立ち寄りたい展望スポットです。また、島中央部の断崖「黒崎高尾展望台」からの眺望も圧巻で、日本一高い海食崖とも称される絶壁から太平洋を見渡すことができます(こちらは標高480m地点まで登る健脚向けコースです)。御蔵島は観光地化された派手なスポットは多くありませんが、海・森・人の暮らしが一体となった島全体が大きな見どころと言えるでしょう。
小さな島ですが、年間を通じて島独自の伝統行事やイベントがあります。移住希望者や観光で長期滞在する方にとっても、島の行事に参加することでコミュニティになじむ良い機会となるでしょう。主な行事をカレンダー順に紹介します。
御蔵島の主なイベント】
1. 厄の日の明神様
時期
毎年1月下旬
概要
毎年1月下旬(22日~25日頃)に行われる伝統行事で、島の神社で厄年の人を祓う神事です。島民は年の初めに集い、無病息災を祈って厄払いをします。島ならではの素朴な行事で、新年を迎えた島に神聖な空気が流れます。
2. 稲根神社例大祭
時期
毎年8月第1土曜・日曜
概要
毎年8月第1土曜・日曜を中心に開催される御蔵島最大のお祭りです。五穀豊穣と島の平安を願う祭礼で、御蔵島の氏神である稲根神社にて神事が執り行われ、御輿(みこし)の巡行や郷土芸能、夜店(夜宮)などが催されます。期間中は島民総出で準備・参加するため、島内はお祭り一色になり大変にぎやかです。このため祭りの日はイルカウォッチングや宿の営業もお休みになるほどで、島全体で伝統行事を守り伝えています。最近では島外から里帰りする若者や観光客も交えて盛大に行われ、島の絆を感じられる行事です。(※2020~2022年は諸事情で中止となりましたが、2023年に5年ぶりに開催されました。)
3. 御蔵島花火大会
時期
7月末
概要
夏の夜空を彩る花火大会も行われます。例年は7月最終週の平日に開催されることが多く、会場は御蔵島港の桟橋付近です。2~4号玉を中心に約800~1000発の花火が30分ほどで次々と打ち上がり、遮るもののない夜空に大輪の花が咲きます。満天の星空と大海原を背景に見る花火は開放感抜群で、離島ならではの迫力を味わえます。天候次第では中止や日程変更もありますが、島の夏のハイライトとして島民・観光客に親しまれています。
4. 三宝神社例祭
時期
毎年11月上旬
概要
毎年11月上旬には集落内にある三宝神社の祭礼が行われます。秋の実りに感謝し、冬を迎える前に島の無事を祈る行事です。稲根神社ほど大規模ではありませんが、地域の人々が集い神楽や直会(なおらい:宴席)を楽しみます。島の神社ごとの行事を通じて、一年の節目ごとに島民の交流と信仰が深められています。
このほか、夏から秋にかけて東京都主催の「島じまん」(東京諸島の物産・文化PRイベント)への参加や、冬場のマラソン大会などスポーツイベントが開催される年もあります。島の学校行事や運動会、敬老会など村民主体のイベントも多く、観光で訪れた方もタイミングが合えば見学したり一部参加させてもらえることがあります。最新のイベント予定は御蔵島観光協会(一般社団法人 御蔵島観光協会)の公式サイトや東京都の島しょイベントカレンダーで確認できます。島の行事に触れることで、より深く御蔵島の暮らしと文化を感じられるでしょう。
御蔵島の住居事情
御蔵島での住まい探しは、他地域とは少し勝手が違います。島内には不動産業者がなく、賃貸物件や売買物件の情報は非常に限られています。そのため、移住を検討する際にはまず御蔵島村役場に問い合わせ、空き家や公営住宅の空き状況などを紹介してもらう形になります。村営の定住促進住宅(移住者向け住宅)も整備されており、一定の条件を満たせば入居できる場合があります(応募状況は村HP参照)。島にはアパートやマンションは無く、一戸建て平屋が主流です。空き家が出ても数が少ないため、タイミングによってはすぐ入居できる物件がないこともあります。そうした場合には、一時的に村営の宿泊施設(御蔵荘など)に滞在しながら物件情報を待つケースもあります。
島では親族代々の家をリフォームしながら住み続ける世帯も多く、新規移住者には「住む家を自分で改修して使う」スタイルが求められることもあります。東京都や村では、空き家を購入・賃借して改修する人に対し改修費用の一部を補助する制度(空き家活用支援)を用意しています(制度の詳細は村役場へ要問い合わせ)。いきなり永住用の家を決めるのが不安な場合、**「お試し移住」**の制度や体験プログラムを利用する方法もあります。御蔵島村では一定期間島に滞在できる移住体験プログラムや、リゾートバイトをしながら島暮らしを試せる取り組みも行っています。これに応募して島の生活を実際に体験し、その間に住まいを探すのも一つの手です。
生活環境としては、島には集合住宅がないぶん戸建ての庭や空き地が広く、家庭菜園を楽しんだり島ならではの住環境を築くこともできます。ただし、物件によっては崖の上や傾斜地に建っている場合もあり、補修・メンテナンスが必要なケースもあります。家賃相場は都心に比べれば格安ですが、築年数の古い家が多いため快適に暮らすには自分で手を入れるくらいの心構えがあると良いでしょう。島には大工さんもいますが人数が限られるので、リフォームを依頼する際は時間に余裕をもつ必要があります。以上のように、御蔵島の住居事情は「物件探しは村頼み、空きが出たらラッキー」という状況ですが、その分根気よく相談しながら準備すれば、きっと自分に合った島の家が見つかるはずです。
島内での仕事
御蔵島の主な産業はサービス業(観光・宿泊業や行政など)と建設業で、就労者の大半がこれら第三次産業と第二次産業に従事しています。令和2年の就業人口を見ると、農林水産業など第一次産業従事者は全体のわずか1.8%(4人)しかおらず、建設業などの第二次産業が約23.5%(51人)、宿泊・飲食業や公務員・教育などの第三次産業が約74.6%(162人)を占めています。このことからも、御蔵島では観光関連や公共サービスが主要な仕事の場になっていることが分かります。実際、島内には民宿やガイド業、飲食店といった観光客相手の職業が多く、他には村役場や診療所、学校など公的機関の職員、農協・漁協職員、建設会社の従業員などが島の仕事を支えています。特に近年はイルカウォッチングやエコツーリズムが盛んなため、観光協会スタッフや自然ガイド、船の船長など「観光の島」を支える仕事の需要があります。移住して民宿を開業したり、お土産店やカフェを始めるIターン移住者もおり、小規模ながら新たな仕事を生み出す動きもあります。
伝統的な産業としては、島内で野菜や果樹を栽培する農業、近海での漁業、そして島固有の森林資源を利用した林業があります。ただし規模は小さく、農業産出額は年間2,200万円ほど(主に島内消費用の野菜)、漁業も1,900万円余り(魚類が中心)と、生業として従事しているのはごく一部です。林業ではツゲ材やクワ材などを産出していますが、こちらも需要が限られるため副業的に行われています。一方、御蔵島ならではの特産品もあります。島の豊かな湧水は「御蔵の源水」というミネラルウォーターとして商品化され、島外でも販売されています。硬度20前後のまろやかな軟水で、森のミネラルを含んだ美味しい水として好評です。また、島で昔から栽培されていたユリ根(食用百合の球根)を使った焼酎づくりが近年復活し、「みそら」という御蔵島産焼酎が限定発売されるなど新たな地場産業の試みもあります。南国フルーツのパッションフルーツや島唐辛子など、小規模ながらユニークな農産物も生産されています(島内の農協直売所で購入可能)。
移住希望者にとって仕事をどう確保するかは重要ですが、御蔵島では求人情報は主に村役場や観光協会のサイトで告知されます。タイミングによっては村役場職員の募集、公的団体(社会福祉協議会など)の職員募集、建設会社の求人などが出ることがあります。また、国の地域おこし協力隊制度を活用して、島の活性化に携わる人材を募集することもあります(現在も1名募集を行っています)。観光シーズンには民宿のヘルパーや観光船スタッフの短期アルバイト募集もありますので、「島でしばらく働いてみたい」という場合は観光協会の情報をチェックすると良いでしょう。なお、通信インフラが整備された現在、リモートワークで島に住むことも現実的です。実際にテレワークを活用して島外の仕事を続けながら移住している方もいます。島では暮らしに必要な収入のハードルも都市ほど高くないため(住宅費が安価、水道代が格安など)、複数の仕事を掛け持ちしたり、季節的な収入源を組み合わせて生活するスタイルもあります。総じて、御蔵島での仕事は「島の未来をつくるための仕事」とも言え、生活のためだけでなく地域を支えるやりがいを感じられる職種が多いでしょう。
【教育機関について】
御蔵島は小さな島ながら、「子育てしやすい東京」です。島内には御蔵島小中学校が1校あり、小学部と中学部合わせても生徒数はごく少人数ですが、その分きめ細やかな教育が行われています。校舎には天然芝のグラウンドや温水プールが備わり、校内の図書館は島民も利用できるコミュニティスペースになっています。学習環境は整っており、少人数教育の利点を活かして先生方や地域の大人が子ども一人ひとりを見守っています。また給食は島の食材を取り入れた手作りで、中学生まで給食費は無料です(教材費や校外学習費も無料)。義務教育の間、保護者の経済的負担が軽減されるよう村が支援してくれます。
高校については島内にありません。そのため、中学校を卒業した子ども達は基本的に島の外(東京都内や八丈島など)の高校へ進学することになります。子どもが15歳で島を旅立つのは親として寂しい面もありますが、村では高校進学者に対して年額30万円、大学等進学者には最大年額36万円の就学支援金を支給してサポートしています。さらに、村独自の奨学金制度があり、高校・大学卒業後に島へ戻り定住した場合は奨学金の返還が全額免除されるというユニークな仕組みもあります。これは将来の島の担い手を育て戻ってきてもらうための制度で、島ぐるみで若者の成長を応援しています。高校進学時には村が旅費や下宿費の補助も行っており、子どもと親が安心して進路を選べるよう支えています。
就学前の子どもについては、御蔵島村保育園(村立保育園)が一つあります。緑に囲まれた環境の中で園児たちが元気に遊び、少人数ならではの家庭的な保育が行われています。共働き家庭でも安心して預けられるよう、延長保育の体制も整えられています。妊娠・出産に関しても、島外の病院で産む際の渡航費補助や、出産時には一時金40万円の支給(出産支援金)、出生後には出産祝い金40万円の支給といった経済サポートがあります。さらに不妊治療を受ける夫婦への治療費・交通費補助、産後ケア利用料の補助など、切れ目のない支援制度が用意されています。乳幼児医療費も高校生まで完全無料で受けられます。
【子育て支援制度】
子育て環境として特筆すべきは、島全体が大家族のように子どもを見守っている点です。御蔵島では「地域みんなで子育て」が合言葉で、自分の子でなくても島の大人たちは我が子のように注意したり世話を焼いてくれます。たとえば中学生が悪さをしていれば親でなくても近所の大人が叱ってくれる、といった具合です。都会では目が離せない子どもの外遊びも、御蔵島なら島民みんなが見守る中で自由にのびのび遊ばせることができます。実際、授業参観の日には自分の子がいない島民まで見に来ることもあるほどで、島全体が「島の家族」として子育てに関わっている温かい雰囲気があります。治安も良く、自然の中で伸び伸び育てられるため、「小さい子どもを育てるには理想的な環境」と移住者からも評判です。もちろん島ゆえに高校進学時の不安など課題はありますが、それ以上に村と地域ぐるみの支えが強いので、子育て世代にとって心強い場所といえるでしょう。
【医療機関】
医療面では、御蔵島には病院はなく診療所が1ヶ所あります。
御蔵島診療所(国民健康保険直営御蔵島診療所)が島内唯一の医療機関で、常駐の医師1名と看護師らスタッフで島民の健康を支えています。診療科目は内科・小児科・整形外科・歯科など基本的な外来診療で、平日の日中(午前中)を中心に診療を行っています。緊急患者には24時間体制で対応できるよう往診・救急体制も確保しており、在宅療養支援診療所として在宅診療や訪問看護との連携も図られています。
とはいえ高度な医療設備はありませんので、大きなケガや重病の際は八丈島や本土の病院へ搬送されることになります。緊急時には天候が許せばヘリコプターで八丈島医療センターなどへ搬送されるケースもありますし、島民は普段から定期的に本土の病院で検診を受けるなど工夫しています。出産も島内ではできないため、妊婦さんは臨月前に本土へ渡り里帰り出産するのが一般的です(そのための交通費補助制度もあります)。
歯科診療については、診療所に簡易な歯科設備があり訪問歯科医による定期検診が行われています。
また年に数回、東京都から専門の検診車が来島して成人病検診や歯科検診、子宮がん検診等を実施するなど、離島住民の健康管理のフォローがされています。
医薬品は診療所で最低限の処方薬を受け取れますが、特殊な薬や多量の薬が必要な場合は本土から取り寄せることになります。
【福祉サービス】
福祉面では、御蔵島村社会福祉協議会(社協)が中心となり、高齢者や障がい者の支援活動を行っています。高齢化率も徐々に高まっていますが、島には特別養護老人ホームのような入所施設はないため、基本的には在宅で家族やヘルパーがケアする体制です。社協ではホームヘルパーの派遣やデイサービス(通所介護)の場を提供し、島のお年寄りを見守っています。小さなコミュニティなので「地域の中でお互いに助け合う」文化が根付いており、近所同士で声を掛け合ったり支援し合ったりする光景も日常的です。買い物や通院の付き添いをボランティアで行う住民もいて、公的サービスと地域互助が組み合わさって福祉が成り立っています。島には交番が1軒(駐在さんが1名)ありますが、治安は極めて良く、防犯よりもむしろ高齢者の見守りや交通安全(島は道が狭く坂が多い)といった面に注意が払われています。

行政の福祉制度としては、医療費助成が充実しています。子どもの医療費は高校生年代まで全額助成(無料)です。大人についても村国保の場合、一定の高額療養費の支給や、健康診断の無料化などが行われています。高齢者のインフルエンザ予防接種補助など東京都の制度も島民は利用できます。また、離島ゆえの支援として、島外の病院に定期受診する方への交通費補助がある場合もあります(詳しくは村の福祉担当課に確認)。福祉車両による送迎サービスもあり、体の不自由な方がお一人でも安心して生活できるよう配慮されています。何より御蔵島では「一人ひとりの存在が島にとって大きな意味を持つ」と言われるように、高齢者も子どもも含め島民全員がかけがえのない存在として大切にされています。困ったときに頼れるのは行政サービスだけでなく、隣近所や顔見知りの島民同士です。そうした人的な支え合いこそが、御蔵島の福祉の強みとも言えるでしょう。

島での生活インフラについてご説明します。まず買い物環境ですが、御蔵島にはコンビニや大型スーパーはありません。その代わり、集落内に3軒の商店があります。代表的なのは「西川商店」「丸一商店」という昔ながらの雑貨店で、野菜やお米、冷凍食品、お菓子、お酒、日用品など一通り揃います。品揃えは限られますが、島の日常の買い物はこれらの商店でまかなわれています。もう1軒は御蔵島村農協・漁協の購買部で、こちらでは日用品に加え島産の加工品や水産物(その日釣れた魚が並ぶことも)を販売しています。お土産品などは、移住者ご夫婦が営む「ふくまる商店」というお店があり、オリジナル雑貨や島素材のジェラートなどユニークな商品を扱っています。24時間営業の店はありませんが、生活必需品は島内で概ね入手可能です。生鮮食品は船で定期的に本土から運ばれ、週に数回入荷します。船便が欠航すると品薄になることもありますが、島民同士で融通し合うこともあり、大きな問題にはなりません。
なお、生鮮野菜などは島内の農家さんから直接譲ってもらえることもありますし、近年はインターネット通販(Amazonや生協の個人宅配など)で取り寄せる人も増えています。驚くかもしれませんが、Amazonの商品も注文から2~3日で島に届きます。
物流は東京竹芝からの船便(貨物船)に依存していますが、離島料金の適用で送料は多少割高になるものの、ほとんどの商品が通販で手に入るため、「思ったより不便ではない」という声が移住者から聞かれます。
交通・通信インフラ
島内の道路は集落周辺と山腹を結ぶ村道がある程度で、島を一周する道路はありません。自家用車を持つ島民もいますが、台数は多くなく道ですれ違う車は限られています。ガソリンスタンドは島に1か所だけあり、週3回(決まった曜日と時間帯)しか営業しません。給油の機会が少ないので車を使う人は残量管理に気を使います。公共交通はないため、基本的に徒歩移動になりますが、集落内は狭い範囲なので歩いて用は足ります。遠出する場合は知り合いに車に乗せてもらったり、観光客向けには宿から送迎サービスが提供されることもあります。通信環境については、光ファイバー回線によるブロードバンドが整備されており、インターネットは快適に利用できます。4G携帯(スマートフォン)もNTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天の主要キャリア全てが集落内で通じており、メールや動画視聴も問題ありません。島とはいえ東京の一部ですので、通信に関しては都会と遜色ない環境と言えるでしょう。島内では無料Wi-Fiスポットは限られますが、自宅に光回線を引いている世帯が多いです。
ライフライン
電力は東京都島しょ部の系統により24時間供給されています。御蔵島では島内にディーゼル発電所と小規模な水力発電所があり、両者で島全体の電力をまかなっています。離島の中では比較的安定した電力インフラで、停電はまれです。水道は先述の通り豊富な地下水を水源としており、水質も良く美味しい水が飲めます。島民の水道料金は月額わずか500円程度と非常に安く(基本料金)、水の心配なく暮らせます。ただし高台の住宅ではポンプアップの関係で断水リスクもあるため、水の大切さは島民がよく心得ています。ガスはプロパンガスを各家庭にボンベ配送する方式です。冬場の暖房はエアコンや石油ストーブが使われます(灯油も島で入手可)。また、島には郵便局が1局あり、ゆうちょ銀行のATMが設置されています。この郵便局は実質上島唯一の金融機関でもあり、現金の出し入れや各種振込などはここで行います(平日昼間のみ営業)。民間の銀行支店やATMはありませんので、大金の引き出しが必要な場合は事前に準備しておくと安心です。
娯楽・公共施設
小さな島ですが、住民の憩いの場として開発総合センターという公共施設があります。ここには体育館やカラオケ設備のある娯楽室、交流ラウンジなどがあり、島民は無料で利用できます。夜になると島民が集う居酒屋「カンブリ」というお店も1軒あります。地元の木材で建てられたおしゃれな内装で、島料理やお酒が楽しめ、夜の社交場として貴重な存在です。他に飲食店は旅館の食堂などが予約制で開放される程度なので、日常的な外食の選択肢は多くありません。娯楽に関しては、自然の中での釣りや散策、住民同士の集まり(麻雀や将棋、カラオケ大会など)が中心になります。とはいえインターネットが使えるので、動画鑑賞やオンラインゲーム、リモートでの習い事など都会と同じような趣味も楽しめます。島にはテレビ中継局もあり地上波放送も問題なく視聴できます。インフラ面で特に不便を感じる点としては、台風や大雨で船便・ヘリ便が長期間止まった場合に郵便物や荷物の到着が遅れること、緊急時にすぐ本土へ行けないことなどが挙げられます。しかしこれらは離島暮らしでは想定内の事柄であり、島民も皆で備えて助け合っています。
総じて、御蔵島の生活インフラは最低限は整い、不足部分は知恵と工夫で補うというスタイルです。不便さを楽しむ心の余裕さえ持てれば、都会にない豊かな島暮らしを送ることができるでしょう。
御蔵島村および東京都では、離島で暮らす住民や移住希望者に対し様々な支援制度を設けています。その中から主なものをご紹介します。
移住支援金(国の制度):東京23区から島しょ地域への移住者に対して、国の地方創生移住支援金の対象となる場合があります。例えば東京23区に5年以上在住または通勤していた人が、御蔵島に移住して就業(またはテレワーク等)すると、単身者で60万円、世帯(2人以上)で100万円の一時金が支給される制度です。東京圏からのUIターンを促進する目的で、要件を満たせば御蔵島村経由で申請できます。
住宅関連支援:空き家の有効活用と定住促進のため、村は空き家情報バンクを通じて物件情報を提供しています。空き家バンク登録物件を購入または賃借して改修する場合、改修費用の一部を補助する制度もあります(補助率や上限額は工事内容によります)。また、村営の定住促進住宅(テラスハウス型の移住者向け住宅)を整備しており、こちらに入居することで当面の住宅を確保することも可能です。定住促進住宅の家賃は比較的低廉に設定されており、一定期間(数年間)はそこで暮らし、その後民間住宅へ転居するようなモデルケースもあります。住宅リフォーム補助や耐震改修補助など、持ち家向けの支援策も東京都の制度として利用できる場合があります。いずれも詳細は村役場に相談すると最新情報を教えてくれるでしょう。


結婚・出産支援:若い世代の定住を促すため、御蔵島村では結婚や出産に際してお祝い金を支給しています。結婚祝い金として婚姻届を出したカップルに5万円(5年以上定住する意思が条件)、出産祝い金としてお子さん一人につき40万円が支給されます。さらに前述したように、妊娠・出産関連では妊婦健診の旅費補助、不妊治療・不育治療の費用補助、出産支援金(出産時に40万円)なども用意されています。出産後も、子育て世帯には児童手当とは別に月1万円の島独自加算が支給され、保健師による定期訪問や相談サービスもあります。「結婚から子育てまで切れ目のない支援」がモットーで、東京の島しょ地域の中でも手厚い支援体制です。
教育支援:こちらも先に述べましたが、小中学校の教材費・給食費・修学旅行費は無料で村が負担しています。中学生には進学準備のため年額18万円の教育支援金が支給され、高校生には年額30万円の就学支援金が支給されます。大学生等への支援金も年額最大36万円(4年間)支給されます。さらに、高校・大学進学者には村の奨学金制度があり、卒業後に島へ戻って定住就職した場合は奨学金の返還が全額免除になるという破格の待遇です。これは島外で学んだ若者にぜひ帰ってきてほしいという村の強い思いの表れです。また、スポーツや文化活動で島外遠征をする中高生には、旅費の一部補助もあります。地域ならではの体験学習(他島や他地域との交流事業)への支援もあり、島にいながら多様な経験が積めるよう工夫されています。
医療・介護支援:医療費については子どもは無料、高齢者も住民税非課税世帯なら医療費助成があります。島独自のものとしては、先述のヘリコプター運賃助成があります。島民が東邦航空ヘリコミューター(御蔵島〜八丈島・大島)を利用する際、村が運賃の一部を補助してくれる制度で、緊急の通院や買い出し等でヘリを使う場合の負担が軽減されます。介護が必要な高齢者には、訪問介護サービス利用料の助成や、車椅子・介護ベッドの無償貸与なども行われています(必要に応じて社協が対応)。
地域おこし協力隊・雇用支援:御蔵島村では国の制度を活用し、地域おこし協力隊の募集と受け入れを行っています。協力隊員として島に移住し、観光振興や農林業振興、地域行事支援などの活動に従事すると、任期中は報酬と住宅が提供され、任期後にそのまま定住就職するケースもあります。移住してすぐの生計支援策として検討できるでしょう。また、東京都の島しょ振興公社などによる島で働きたい人向けの合同相談会や、島内事業者と移住希望者をマッチングする支援もあります。新規就農・就漁を志す人への研修制度や補助金もあり、例えば漁業では新人乗組員の家賃補助(5年間家賃の半額補助など)を行う制度が神津島村で実施されています(御蔵島でも今後期待されています)。

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