伊豆大島の基本情報 IZUOSHIMA
伊豆大島への移住・定住について MIGRATION・SETTLEMENT

伊豆大島(いずおおしま)は東京から南へ約120kmの海上に浮かぶ伊豆諸島最大の島です。
行政区域は東京都大島町に属し、人口は約8,000人ほどです。
島の中央には標高758mの火山「三原山(みはらやま)」がそびえ、現在も活動を続けています。
島の約97%が富士箱根伊豆国立公園の指定区域であり、美しい自然景観と生態系が十分に保護されています。
伊豆大島は「椿の島」としても知られ、特産品の椿油は島の名物です。
温暖な海洋性気候に恵まれ、一年を通じて過ごしやすく、ゆったりとした島暮らしや大自然を満喫できる魅力あふれる島です。
伊豆大島へは船か飛行機でアクセスできます。
【船でのアクセス】
高速ジェット船(東海汽船)の場合
- ■ 所要時間
- 東京・竹芝桟橋から最短約1時間45分
- ■ 運行
- 1日に2~5便程度(季節によって変動)
- ■ 料金
- 片道約7,000~8,000円前後
- ■ 詳細・予約
- 東海汽船 >>詳しくはこちら
伊豆半島側の熱海港・伊東港、神奈川の久里浜港、千葉の館山港からも季節運航の高速船があります。
大型客船(東海汽船)の場合
- ■ 所要時間
- 約6~8時間
- ■ 運行
- 毎日1便(夜出発、朝到着)
- ■ 料金
- 2等船室で片道5,000~8,000円程度(シーズンや等級により変動)
- ■ 詳細・予約
- 東海汽船 >>詳しくはこちら
自家用車を輸送するカーフェリーは運航されていないため、車両の持ち込みは基本できません。
【飛行機でのアクセス】
調布飛行場からの小型機(新中央航空)の場合
- ■ 所要時間
- 約25分
- ■ 料金
- 片道約12,000円前後
- ■ 運行
- 1日3往復程度(天候による欠航あり)
- ■ 詳細・予約
- 新中央航空 >>詳しくはこちら
※大島島内の交通:島内では路線バスやタクシーが運行していますが、本数が限られるため、観光や移動にはレンタカーやレンタサイクルの利用が便利です。特に観光シーズンはレンタカーや自転車の予約が混み合うので、早めの手配がおすすめです。
伊豆大島の気候の特徴
伊豆大島の気候は黒潮の影響を受けた温暖多湿な海洋性気候で、年間を通じて気温の日較差・年較差が小さいことが特徴です。
冬でも東京本土より寒さが和らぎ、平均気温は年約17℃前後と「常春の島」とも称されます。一方で降水量は多く、年平均で約2,800mmに達し、本州より雨が多い傾向です。
夏(7~9月)の最高気温は30℃前後まで上がりますが、海風のおかげで極端な猛暑になりにくく、冬(12~2月)の最低気温も5℃前後で氷点下になることはまれです。
晩秋から冬にかけては西風(島では「西ん風」と呼ばれる強い季節風)が吹く日が多く、塩害で窓が白く曇ったり車がさびやすいこともありますので注意が必要です。
台風は例年8月~10月にかけて年に2~3個程度が接近し、強風や大雨の影響を受けることがあります。総じて伊豆大島は一年を通じ比較的温暖で、四季折々に過ごしやすい気候と言えるでしょう。
伊豆大島には豊かな自然と歴史を感じられる見どころが数多くあります。主な観光スポットを以下にご紹介します。
■ 三原山(みはらやま):島のシンボルである活火山。火口周辺には遊歩道が整備されており、荒々しい火口原や溶岩地形の迫力を間近に体感できます。山頂からは天候が良ければ富士山や伊豆諸島の絶景を望め、まさに大島を代表する絶景ポイントです。
■ 裏砂漠(うらさばく):三原山の北東山麓に広がる黒砂の砂漠地帯で、日本で唯一「砂漠」と呼ばれる景観です。火山の噴出物に植物が生えないため生まれた独特の風景で、月面のような荒野が広がります。徒歩やサイクリングで訪れれば、大自然のスケールを肌で感じられるでしょう。
■ 波浮港(はぶみなと):島の南端に位置する天然の良港で、江戸時代から昭和初期にかけて漁業や交易で栄えた歴史ある港町です。港を見下ろす高台には小説『伊豆の踊子』ゆかりの地として知られる「波浮の見晴台」があり、ノスタルジックな港街の風景を楽しめます。近くには明治期の旅館建築を保存した「旧港屋旅館(踊り子の里資料館)」もあり、往時の面影に触れることができます。
■ 都立大島公園・椿園:島の北部にある広大な都立公園で、日本最大級の椿園が整備されています。約7ヘクタールの園内にヤブツバキ約5,000本と園芸品種約3,200本(1,000品種以上)が植栽されており、2016年には国際ツバキ協会から「国際優秀椿園」の認定も受けました。2月の「椿まつり」開催時期には特に多くの品種が咲き誇り、富士山を背景に色とりどりの椿を楽しむことができます。園内には小動物園やキャンプ場も併設され、家族連れにも人気のスポットです。
このほか、火山の成り立ちを学べる伊豆大島火山博物館や、大島の伝統文化を展示する大島町郷土資料館、断崖絶壁の景観が見事な筆島(ふでじま)など、見どころは尽きません。大島観光について詳しくは伊豆大島観光協会公式サイト( https://www.izu-oshima.or.jp )も参考にしてください。
伊豆大島では年間を通じて様々なイベントが開催され、島内外から多くの人々が訪れます。主なイベントと開催時期は次のとおりです。
【伊豆大島の主なイベント】
1. 伊豆大島椿まつり
- ■ 時期
- 毎年1月下旬~3月下旬
- ■ 概要
- 島を代表する一大イベントです。厳冬期にも美しく咲く椿の花を祝い、島内各地で郷土芸能「アンコ踊り」やミス椿・ミス大島(アンコさん)コンテスト、椿グッズ市など多彩な催しが行われます。期間中は都立大島公園の椿園が無料開放され、訪れた人々の目を楽しませます。
2. 伊豆大島トライアスロン大会
- ■ 時期
- 毎年6月上旬
- ■ 概要
- 「東京アイランドシリーズ」の一環として行われる伝統あるトライアスロン大会です。元町港周辺を主会場に、島一周コースなどでスイム・バイク・ランの過酷なレースが繰り広げられます。全国から集まるアスリートが初夏の大島を駆け抜け、島民の熱い声援が送られるスポーツイベントです。
3. 伊豆大島夏まつり&花火大会
- ■ 時期
- 毎年8月中旬
- ■ 概要
- お盆の時期に元町港周辺で開催される夏祭りです。盆踊りや郷土芸能の披露、屋台村などで賑わい、祭りのフィナーレには海上から打ち上げられる花火大会が行われます。夜空を彩る大輪の花火は迫力満点で、島の夏のハイライトです。また会場では「ミス大島・ミス椿(アンコ)」の発表も行われ、祭りを盛り上げます。
4. 伊豆大島ジオパーク ロゲイニング大会
- ■ 時期
- 毎年10月下旬
- ■ 概要
- 大島全域を舞台に開催される体力派イベントです。地図を片手にチェックポイントを巡る「ロゲイニング」という野外スポーツで、チームごとに島内のジオパーク名所を駆け巡ります。雄大な自然を楽しみつつ競技するユニークな大会で、観光客にも島民にも人気が高まっています。
5. 伊豆大島マラソン大会
- ■ 時期
- 毎年12月上旬
- ■ 概要
- 初冬の大島を走る市民マラソンです。島内外からランナーが集い、アップダウンのある島のコースに挑みます。完走後には島名産の椿油やくさやなど特産品が振る舞われることもあり、アットホームな雰囲気の中で交流が深まるイベントです。
このほか、各集落ごとの盆踊り大会(7~8月)や伝統神事(10月の「為朝(ためとも)神社」の弓引き神事など)、冬場のイルミネーションイベント等、大小様々な行事が行われます。イベント情報の詳細や最新予定は大島町公式サイトや観光協会の案内ページで随時確認できますので、興味のある方はチェックしてみてください。
伊豆大島の住居事情
伊豆大島への移住を検討する際、住まい探しは大きなポイントです。
島内には不動産業者やアパート・賃貸住宅もありますが、物件数は本土に比べて限られており、希望に合う賃貸を見つけるには時間がかかる場合があります。
そこで大島町では**「空き家バンク」**を運用し、島内の未利用住宅を移住希望者へ紹介する取り組みを行っています。
大島町空き家バンクのウェブサイト(
https://www.oshima-akiya.jp )では空き家物件の一覧や登録方法を閲覧でき、役場政策推進課が窓口となってマッチングのサポートをしています。
【住居の選択肢】
1. 賃貸物件
島内の賃貸住宅は戸数が多くないため、希望条件に合う物件がすぐ見つからないこともあります。
不動産情報は大島町役場や地元新聞、移住者向けサイト等で確認できます。粘り強く情報収集し、地元の方に相談してみることも有効です。
2. 空き家バンクの活用
大島町が運営する空き家バンクでは、個人が所有する使われていない一戸建て住宅などを賃貸または売買物件として登録しています。希望者は空き家バンクを通じて物件情報を得て、交渉や契約を進めることができます。ただし離島特有の事情で、常時多数の空き家が流通しているわけではありません。定期的に情報をチェックし、良い物件があれば早めに問い合わせることが大切です。
3. 住宅購入・新築
気に入った土地や空き家を購入して、自分でリフォームしたり新築したりするケースもあります。島内には地元の建設会社や工務店が複数あり、リフォームや新築工事の実績があります。例えば当社も含め、地域に根ざした建築業者が相談に乗ってくれるでしょう。将来長く暮らす前提であれば、土地から探して理想の住まいを建てる選択肢もあります。
【移住者向けの住居支援制度】
■ 島暮らし体験住宅
大島町では移住希望者がお試しで島生活を体験できる 「移住体験住宅」 を整備し、2025年現在で元町地区に3戸の体験住宅があります。最短1週間程度からの短期入居が可能で、実際の島での暮らしを体験しながら移住の検討ができます。体験住宅の公募情報や申込方法は、大島町移住定住応援サイト「伊豆大島で暮らそう」(
https://oshima-kurashi.tokyo )等で案内されています。
■ 空き家改修等の補助
空き家バンクを通じて物件を取得または賃借した場合、その購入費や改修費の一部を町が補助する制度があります。補助額は対象経費の2分の1以内で上限30万円(令和7年度現在)とされています。老朽化した空き家でも、この補助を活用してリフォームすることで快適に暮らせる住まいに再生することができます。
■ 定住化促進住宅補助
一定の要件を満たした移住者向けに、住宅取得費や新築・増改築費用の一部を助成する制度も検討されています(※制度の詳細や予算枠は年度により異なるため、最新情報は大島町役場にお問合せください)。
島内には公営住宅(町営住宅)が用意される場合もありますが、募集時期や入居条件が限られるため、総合的に検討するとよいでしょう。移住者の住まい探しについては、大島町役場や移住相談窓口で個別相談に応じてもらえますので、不安な点は気軽に相談してみてください。

伊豆大島での仕事は、観光業やサービス業を中心に、島ならではの産業があります。近年は島の産業構造も変化しており、かつて多くを占めていた農業・漁業といった一次産業から、旅館・飲食・商店などの第三次産業の比重が高まっています。主な仕事分野としては次のようなものが挙げられます。
【観光・サービス業】
ホテルや民宿、飲食店、お土産店、観光施設のスタッフなどが代表例です。観光シーズンには臨時の求人が出ることもあります。また、レンタカー会社やダイビングショップ、観光ガイドなど観光客向けサービスの需要もあります。島民向けの日常サービスとしてはスーパーや商店、ガソリンスタンド、タクシー運転手などの職もあります。
【漁業・水産業】
伊豆大島近海は漁場に恵まれており、イセエビやサザエ、クサヤ用のトビウオなどが名産です。島内には漁協があり、漁師として働く道もあります。近年は漁業の世界でも栽培漁業(種苗の育成・放流による資源管理)が推進されており、大島には東京都の栽培漁業センターも設置されています。漁業未経験者でも研修制度などを経て漁業に携わるケースもあります。
【農業・畜産業】
島内の耕地面積は限られますが、特産の椿油用のヤブツバキ採取や、島唐辛子・明日葉(あしたば)などの栽培が行われています。また大島牛乳で知られる酪農(乳牛の飼育)や、くさや汁に使う魚の養殖など、島の環境を活かした小規模農畜産業も営まれています。農業分野は高齢化が進んでいるため、新規就農者向けの支援制度も用意されています。
【公務・教育・医療】
大島町役場や都の出先機関、消防署など公的機関の職員として働く道もあります。また島内の学校教職員や大島医療センターのスタッフなど、専門資格を活かせる求人も存在します。これらは募集人数が限られますが、タイミングが合えばUIターン人材が採用されることもあります。
【リモートワーク・フリーランス】
近年、島しょ地域でも高速インターネット環境が整い、テレワークで都市部の仕事をしながら島暮らしをする人も増えてきました。伊豆大島には無料で利用できるコワーキングスペース**「WELAGO(ウェラゴ)」**が元町港近くに整備されており、ノートPC一つで仕事ができる環境が整っています。海を見渡す開放的なワークスペースで、都内企業のリモート勤務やフリーランスのITエンジニア・デザイナーの方々が仕事をする姿も見られます。島には他にも「PORT大島」などのワーケーション施設があり、自然に囲まれた快適な環境で働くことが可能です。
このように、島内での仕事探しは都市部に比べ選択肢が限られる面もありますが、工夫次第で様々な働き方ができます。求人情報は大島町の公式ウェブサイトやハローワーク、東京しごと財団の島しょ求人情報ページなどで発信されています。UIターン向けに東京都主催の移住セミナーや就業相談もありますので、活用しながら希望の職を探してみてください。
【教育機関について】
伊豆大島には、子どもたちがのびのびと学び育つための教育機関と支援環境があります。島内の学校は小中学校が合わせて数校あり、それぞれ地域の児童生徒が通っています。大島町立小学校は各地区にいくつか(元町、差木地など)設置されており、大島町立第一中学校(元町地区)など中学校もあります。小規模校が多いため少人数学級できめ細やかな指導が行われており、先生や地域の目が行き届く安心感があります。子ども達は豊かな自然の中で伸び伸びと過ごし、郷土文化に触れながら成長できる環境です。
高校は東京都立の大島高等学校が島内に1校あります。島内で高校まで完結して進学できるのは離島では恵まれた環境であり、中学卒業後も島を離れずに学業を続けられる選択肢があります。都立大島高校では普通科のほか島ならではのカリキュラムも展開されており、地域と連携した学習や椿園の管理など特色ある活動で知られています(同校は世界初の「学校として国際優秀椿園」に認定され、約1,000種類もの椿を育成していることでも有名です)。高校卒業後は進学や就職で島外に出る若者も多いですが、近年は奨学金返還支援などによりUターン就職を促す取り組みも行われています。
未就学児向けには町立の保育園・幼稚園が整備されており、共働き世帯や移住者家庭でも安心して子育てできるようサポートがあります。待機児童はほぼゼロで、必要な家庭はスムーズに利用できます。また、大島町は子どもの医療費助成(高校生相当年齢まで医療費無料の制度)や児童手当など、本土と同様の子育て支援制度が適用されます。妊婦健診の補助や出産育児一時金なども利用でき、離島であっても経済的な不安を抑えて子育てできる環境です。
さらに、子育て家庭をサポートする拠点として**「子ども家庭支援センター」**が設置されています。専門の相談員(保健師・保育士等)が常駐し、育児の悩み相談や親子教室の開催、一時預かりの手配など総合的な支援を行っています。地域ぐるみで子ども達を見守る雰囲気も強く、近所の人同士で声を掛け合いながら育児できる「島ならでは」の温かさがあります。
教育面では、島外の学校との交流や体験学習も盛んです。小学5年生での「海洋教室」(船で他島を訪問する学習)や、中学生の東京本土への修学旅行など、離島だからこそ得られる特別な体験機会があります。また離島留学制度として、島外から大島の中学校に期間留学する受け入れも行われており(東京都の施策)、都会の子どもが大島で共同生活を送りながら学ぶなどユニークな取り組みもあります。総じて伊豆大島は、自然と地域に育まれた豊かな教育・子育て環境が整っていると言えるでしょう。
【医療について】
伊豆大島には島民の健康を守るための医療機関が整備されています。大島医療センター(元町地区)は島で唯一の入院病床を持つ中核医療機関で、内科・外科・小児科・耳鼻科・眼科・歯科など幅広い診療科を備えています。都内の大学病院(東邦大学大橋病院)と連携して小児科医を派遣するなど、離島でも可能な限り質の高い医療提供に努めています。通常の診療は予約制で平日の日中に行われ、急患の場合は夜間・休日でもセンターに連絡すれば医師が対応します。また島の南部(波浮港近く)の差木地地区には南部診療所があり、週数回の診療日で地域医療を担っています。島内には他にも歯科医院や調剤薬局、接骨院などが数件営業しており、日常的な医療ニーズには概ね対応できます。ただし高度な治療や手術が必要な場合は防災ヘリや東京消防庁の医療専用ヘリコプターで本土の病院へ緊急搬送する体制が整えられているため、万一の際も安心です。
【福祉について】

福祉面では、高齢者や障がいのある方への支援サービスが充実しています。大島町では介護保険サービスとして、訪問介護(ホームヘルプ)や通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)などを提供し、要介護高齢者とその家族を支えています。島内には特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)もあり、常時介護が必要な方の受け入れも可能です。また高齢者への配食サービス(安否確認を兼ねたお弁当宅配)や、寝具乾燥サービス等の独自施策も行われています。障がいのある方々には、障がい者手帳の交付や各種手当支給、日常生活の支援(ホームヘルプ・移動支援)から就労支援まで包括的な福祉制度があります。重度心身障がい者医療費の助成制度も整っており、自己負担なく医療が受けられる仕組みが整えられています。
子どもや妊産婦に対する福祉サービスも手厚く、乳幼児医療費助成(マル乳・マル子医療証)の交付によって中学生まで医療費無料、妊婦健診補助や産後ケア訪問など切れ目のないサポートが提供されています。大島町子ども家庭支援センターでは18歳未満の子どもと家庭を対象に、育児相談や一時預かり、親子交流イベントの開催など総合相談・支援を行っており、子育て世帯の心強い味方です。
離島というと医療や福祉に不安を感じる方もいるかもしれませんが、伊豆大島では行政や専門機関、地域住民が協力し合い、高齢者から子どもまで安心して暮らせる体制づくりがされています。もしもの時の緊急搬送体制も含め、必要なサービスはしっかり確保されていますので、大きな心配はいりません。島で暮らす皆が互いに支え合い、助け合う風土も福祉の一端として機能しており、温かなコミュニティの中で生活できるのも大島の魅力と言えるでしょう。
伊豆大島での生活インフラは、おおむね本土と同じように整っていますが、一部は島ならではの事情があります。
以下、主要なインフラ事情についてまとめます。
■ 電力
大島の電力は東京電力により供給されています。島内にディーゼル発電所があり、自家発電で需要をまかなっていますが、近年は太陽光発電設備の設置も進み、公共施設や民間で再生可能エネルギーの活用が図られています。家庭では本土同様に100V電源が利用でき、オール電化住宅も存在します。離島ゆえ災害で発電所が停止した場合の不安はありますが、非常用の発電設備や燃料備蓄も整えており、電力の安定供給に努めています。
■ 上水道
島内には大小のダムや地下水源があり、大島町が管理する上水道によって各家庭に水が供給されています。昭和初期までは雨頼みの時代もありましたが、その後の水道整備で現在は安定した水量・水質が確保されています。基本的に水道水はそのまま飲用可能ですが、火山性土壌の影響でやや硬度が高い傾向があります。夏場に観光客が増える時期でも断水の心配はほとんどありません。ただし台風による濁りやポンプ故障で一時的に断水する可能性もゼロではないため、島民はポリタンクに非常用水を備蓄する習慣もあります。
■ ガス・燃料
都市ガスの配管は島内にはありません。家庭用エネルギーとしてはプロパンガス(LPガス)のボンベを各戸で設置して利用するのが一般的です。プロパンガス業者が定期的にボンベ交換・充填を行ってくれるので、本土と変わらない感覚でガスコンロや給湯器が使えます。調理をIHヒーターにして電化する家も増えています。また冬季の暖房は電気ヒーターや石油ストーブが主流です。島内のガソリンスタンドで灯油も購入できます。車のガソリンも複数のスタンドで入手可能ですが、営業時間はおおむね朝8時~夕方7時頃までなので注意が必要です(24時間営業のスタンドはありません)。
■ 通信・ネット環境
海底光ファイバーケーブルが敷設されており、大島でも高速インターネットが利用可能です。NTTの光回線サービスが島内全域で提供されており、在宅で動画視聴やオンライン会議も問題なく行えます。携帯電話も主要通信事業者(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)の4G回線が島内でほぼカバーされており、場所によっては5Gも利用できます(山間部や一部沿岸で電波が不安定な箇所もあります)。離島というハンディを感じさせない通信インフラのおかげで、リモートワークやオンライン学習も快適に行えます。郵便も本土同様に毎日配達・集配があり、ゆうパックや宅配便も利用可能です(ただし本土より到着が1日遅れる程度の時間差があります)。
■ 商業施設・買い物
伊豆大島には全国チェーンのコンビニエンスストア(セブンイレブンやローソン等)は一店舗もありません。そのため、日々の買い物は地元のスーパーや個人商店を利用する形になります。元町エリアにはスーパーべにや(9時~19時営業)やさむかわ食賓館(9時~21時営業)などのスーパーマーケットが複数あり、食品や日用品が一通り揃います。その他にも、岡田地区や波浮地区など各集落に小規模な食料品店・雑貨店が点在しています。生鮮食品からお惣菜、島の特産品まで扱っており、暮らしに必要なものは概ね手に入ります。ただし全店とも夜間は早めに閉店(遅くとも21時頃まで)のため、買い忘れには注意が必要です。島民は夕方までに翌日の分も含め買い物を済ませる習慣になっています。また、一部のお店(例えばスーパーべにや)はキャッシュレス決済にも対応していますが、現金オンリーの商店もまだあります。ATMは郵便局やJAバンク、信用組合の窓口ATMが利用できますが、台数が限られるため、余裕をもった現金管理をすると安心です。
■ 交通機関・島内移動
島内には路線バス(大島旅客自動車株式会社)が運行しており、元町港・岡田港を起点に波浮港や空港、泉津地区など主要エリアを結んでいます。ただ本数は1~2時間に1本程度と少なく、特に郊外では公共交通の便が良いとは言えません。そのため島内の移動は自家用車やバイク、自転車があると便利です。島民の多くは車を所有しており、道路も整備されているので島内どこへでも30分~1時間程度で行き来できます。観光の際はレンタカー(各港や空港で貸出あり)やレンタサイクルを利用できますが、夏場は予約で埋まりやすいため早めの確保が望ましいです。タクシーも数社営業しています。なお信号機の数は島内に数えるほどしかなく、交通渋滞とは無縁です。ただし夜間は街灯が少なく道路が暗いので、安全運転を心がけましょう。
■ 娯楽・その他の生活サービス
島内には映画館や大型ショッピングセンターはありませんが、公民館や文化会館で定期的に上映会やイベントが開催されます。また飲食店は元町港周辺に居酒屋や食堂が点在し、地魚料理や島寿司が味わえます。カラオケ設備のあるスナックやバーも少数ながらあり、地元の方との交流の場にもなっています。理美容院やクリーニング店、ホームセンター、自動車整備工場、病院のほか、塾や習い事教室(ピアノ、水泳など)もあり、日常生活に必要なサービスは一通り揃っています。インターネット通販も利用者が多く、島民の間では週に一度の本土便で届く宅配荷物が話題になることもしばしばです。
総じて、伊豆大島の生活インフラは**「ないものもあるが、工夫で補える」**という印象です。便利さだけを求めれば都心には及びませんが、その分ゆったりと流れる時間や人の温かさが日々の暮らしを豊かにしてくれます。多少の不便は島民の知恵と助け合いで解消できますので、島暮らし初心者の方も心配いりません。
伊豆大島への移住・定住や起業を後押しする各種支援制度が用意されています。大島町および東京都が提供する代表的な制度をいくつかご紹介します。
■ 空き家対策事業補助金

前述の空き家バンクに関連して、空き家バンク登録物件を取得または賃借した場合の費用補助制度です。具体的には、物件の購入費や改修費、不要物の処分費等に対し**経費の1/2(上限30万円)**を助成する内容となっています。老朽住宅のリフォームや片付けにかかる負担を軽減し、新たな定住を促す狙いがあります。
■ 創業支援補助金
大島町内で新規に事業を起こす人に対する補助金です。対象経費(開業に必要な設備投資や店舗改装費など)の2/3以内、上限50万円が支給されます。島でカフェを開いたり民宿を始めたりする移住者も増えていますが、この制度を活用することで初期費用の負担を減らすことができます。申請には事前相談や事業計画書の提出など条件がありますので、検討中の方は町産業課に問合せてみましょう。
■ 起業家空き店舗活用支援
空き家・空き店舗を活用して起業する場合の補助制度もあります。島内の使われていない建物を店舗等に改装してビジネスを始める際、その改装費用の一部を町が補助します。これにより島の空き店舗解消と新規ビジネス創出を同時に促進する狙いです。起業希望で適当な物件を探している方は、空き家バンクと合わせて検討してみるとよいでしょう。
■ 移住支援金(東京都制度)
東京都では東京23区から多摩・島しょ地域への移住者に対し、「移住支援金」を支給する制度があります。伊豆大島も対象地域に含まれており、東京23区に5年以上在住または通勤していた人が島内企業に就職または島で起業した場合に、単身者で60万円、2人以上の世帯で100万円の支援金が支給されます(※2025年度時点の額)。この制度は国と都が共同で実施しており、UIターンによる人材流入を図るものです。移住支援金を受け取るには都が指定する求人への就職など細かな条件がありますので、利用を検討する場合は東京都の移住ポータルサイトで詳細をご確認ください。
■ 奨学金返還支援制度
大島町では、大学等を卒業後に島にUターン就職・定住した若者に対し、在学中に借りていた奨学金返還の一部を補助する制度があります。具体的には、対象者の毎年の奨学金返済額の一部(上限額など詳細規定あり)を一定期間補助するもので、若い人材が経済的不安なく島で働き続けられるよう支援する狙いがあります。地方では珍しい手厚い制度であり、島に戻ってきたい若者を後押ししています。
■ 移住相談・体験イベント
ハード面の補助金だけでなく、移住希望者向けの相談窓口や現地案内ツアーも充実しています。大島町は島外からの移住相談を随時受け付けており、メールや電話での相談のほか、実際に島を案内する「移住体験ツアー」も実施しています。島内の暮らしぶりを肌で感じてもらうためのイベントで、移住先輩者との座談会や地域行事への参加体験なども企画されています。最新のイベント情報は東京の「多摩・島しょ移住相談センター」や大島町の移住応援サイト等で告知されています。
これら以外にも、子育て世帯向けの住宅取得補助(例:東京都の子育て世帯地域支援事業)や、島内企業への就職で支給される就業奨励金など、その時々で様々な支援策が用意されています。支援制度は年度ごとに変更や新設があるため、最新情報は大島町公式ウェブサイトや東京都移住ポータル(多摩島しょ移住定住ポータルサイト)で確認するのがおすすめです。
補助金や支援を上手に活用することで、伊豆大島での新生活のスタートをスムーズに切ることができます。経済的な負担を減らし安心して移住・定住できるよう、行政もしっかりバックアップしてくれますので、興味のある制度はぜひ遠慮なく問い合わせてみてください。島全体が新しい仲間を歓迎し、暮らしとチャレンジを応援してくれる――それが伊豆大島の心強い魅力です。