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島嶼部の基本情報

BASIC INFORMATION

青ヶ島の基本情報 AOGASHIMA

概要 アクセス 気候について 観光スポット イベント情報

青ヶ島への移住・定住について MIGRATION・SETTLEMENT

住居について 仕事について 教育と子育て環境について 医療と福祉について 生活とインフラについて 支援制度と補助制度について
青ヶ島(あおがしま)は、東京の南約360km、伊豆諸島最南端に位置する人口約160人の小さな島です。
二重カルデラの火山島という世界的にも珍しい地形を持ち、島を取り囲む高さ250m級の断崖と、カルデラ内にそびえる丸山が織りなす雄大な景観は「絶海の孤島」と称されるほど壮観です。
青ヶ島村は日本一人口の少ない自治体であり、静かな環境と豊かな自然を求めて移住を検討する人々にも注目されています。
島民は互いのつながりを大切にしており、よそから来た人にも温かく声をかける親しみやすい地域コミュニティがあります。
1785年の大噴火で一時無人島となりましたが、その後島民が戻り定住が再開された歴史を持ち、困難を乗り越えてきたたくましい島でもあります。
現在では、美しい自然と独特のカルデラ地形が海外のメディアに「死ぬまでに見るべき絶景」として紹介されるなど、世界的にも注目を集める存在となっています。
青ヶ島へ行くには、まず東京から八丈島まで移動し、そこから船かヘリコプターで渡るルートが基本です。八丈島へは羽田空港からの直行便(所要約55分)や東京竹芝桟橋からの夜行フェリー(東海汽船、所要約10時間)でアクセスできます。その後、八丈島から青ヶ島までは 連絡船 と ヘリコプター の2通りの方法があります。
【連絡船(くろしお丸)】
八丈島の底土港から出航する小型船で、所要約2時間30分〜3時間です。ただし青ヶ島は港に防波堤がなく海が荒れやすいため、船は天候に強く左右され、欠航も頻繁です。実際の就航率は50~60%程度といわれ、波が高い日は港に接岸できず出航見合わせになることも多々あります。船は青ヶ島唯一の三宝港で直接桟橋に横付けできないため、港では漁船などを大型クレーンで釣り上げ下ろしする独特の方式が取られています。冬季には運が良ければ港の近くでクジラが見られることもあるそうです。船便は週に4〜5往復運航しますが、当日朝7時にその日の運航可否が決定する仕組みです。**「日本一上陸が難しい島」**とも称される青ヶ島ですが、このスリルも旅の一部と言えるでしょう。
【ヘリコプター(東京愛らんどシャトル)】
八丈島空港と青ヶ島ヘリポート間を結ぶヘリコミューターで、所要約20分とあっという間です。1日1往復365日運航されており、定員9名と座席は限られます。就航率は天候に左右されにくく9割以上と高いため、島民の主な足として利用されています。予約は搭乗1ヶ月前から受付で必須となっており、人気の時期は観光客が予約を取るのが難しい場合もあります。重量制限もあり大型手荷物は持ち込めないため、利用時は事前に確認が必要です。八丈島発の朝一番の飛行機に乗れば、東京から約2時間で青ヶ島に到着でき、島の民宿と雄大な自然がお出迎えしてくれますよ。
なお、青ヶ島には本土からの直行航路・航空路はなく、アクセスの起点となる八丈島自体も天候で飛行機や船が欠航することがあります。特に冬から春にかけて海が時化る時期は計画に余裕を持つことが大切です。また島内の交通機関としては路線バスやタクシーはありませんが、レンタカー業者があります。港やヘリポートから集落までは坂道も多いため、荷物が多い場合は事前に宿の送迎をお願いすると安心です。青ヶ島への旅はまさに “秘境への冒険”。アクセス難も含めて青ヶ島の魅力と心得て、時間に余裕をもって計画しましょう。
青ヶ島の気候の特徴
青ヶ島は黒潮の暖流に包まれた海上にあり、緯度的には九州南部の宮崎県とほぼ同じ位置にあります。年間を通じて概ね10~25℃程度と温暖な気候で、冬でも氷点下になることはまれでとても過ごしやすいです。夏は亜熱帯性の蒸し暑さがありますが、島の集落は標高250m以上の高台にあるため、海抜0mの八丈島などに比べるといくぶん涼しく感じられます。年間降水量は東京本土よりも多めで、梅雨時や台風シーズンには大雨になることもあります。特に 湿度は平均85% と伊豆諸島でも際立って高く、常にしっとりとした空気感があります。そのため洗濯物が乾きにくかったり、カビ対策が必要だったりといった面もありますが、島民は上手に工夫して暮らしています。
青ヶ島は小さな島ながら、火山島ならではの雄大な自然景観やユニークなスポットが数多くあります。島を訪れたらぜひ見ておきたい観光スポットをいくつかご紹介します。
尾山展望公園:外輪山の尾根にある展望スポットで、360度の大パノラマが楽しめます。断崖の向こうに広がる果てしない太平洋と、内輪山丸山の二重カルデラ絶景を一望でき、晴れた日には北側に八丈島を望むこともできます。新東京百景にも選ばれた青ヶ島随一のビューポイントです。
丸山(内輪山)と丸山遊歩道:カルデラの中央に盛り上がる内輪山が丸山です。1785年の大噴火で隆起した山で、内部にはかつて大池・小池と呼ばれる池がありました。現在は植林された椿の低木が縞模様の景観を作っています。山頂周囲には約20分ほどで一周できる遊歩道が整備されており、季節ごとの草花や野鳥を観察しながら散策できます。外輪山の切れ間から垣間見える太平洋の眺めも絶景です。
ひんぎゃ(地熱蒸気孔):丸山の麓、池之沢地区には「あちこちから蒸気が噴き出す穴」が多数あります。島の言葉でこれを「ひんぎゃ(火の際の意)」と呼び、昔は電気のない時代にこの天然の地熱を暖房や調理に利用していました。現在でもところどころで白い噴気を見ることができ、火山島のエネルギーを感じられるスポットです。
青ヶ島村ふれあいサウナ:池之沢の噴気地帯にある天然サウナ施設です。地中から噴出するひんぎゃの熱を利用した蒸し風呂で、室温はおよそ60℃前後。自然の力で温められているため日によって温度や湿度が多少変化しますが、それもまた楽しみの一つ。村民の憩いの場にもなっており、観光客も予約不要で利用可能です(有料、タオル等持参推奨)。汗をかいたあとは、近くの地熱釜で蒸した名物のサツマイモなどで水分補給するのもおすすめです。
地熱釜(地熱調理場):ふれあいサウナのそばには、地熱を利用したユニークな蒸し釜があります。地中からの熱でものを蒸し上げる施設で、村民はここでサツマイモやジャガイモ、ゆで卵、くさや、プリン、赤飯まで何でも蒸してしまいます。観光客も食材を持ち込んで利用することができ、自分で蒸したホカホカの食べ物を大自然の中で味わう体験は格別です。待ち時間にサウナに入っていれば、あっという間に料理が出来上がりますよ。
ジョウマン共同牧場:集落から北へ下った高台に広がる草原エリアです。標高約200mの台地に一面の緑が広がり、空と海の青とのコントラストが美しいスポットです。街灯が一つもないため、夜は満天の星空観察スポットにもなります。青ヶ島で飼育されている黒毛和牛(青ヶ島牛)ものんびり草を食む姿が見られ、島の牧歌的な雰囲気を味わえます。
大凸部(オオトンブ):青ヶ島で最も標高が高い地点(423m)で、外輪山の北端に位置します。三角点も設置されており、集落から徒歩で気軽に登れる展望スポットです。360度の眺望は圧巻で、昼間に青い海原を見渡すも良し、夜に寝転んで星を見るも良し。展望台でのんびり昼寝なんて楽しみ方もできます。
還住塔(佐々木次郎太夫の碑):天明の大噴火後に青ヶ島への帰還(還住)を成し遂げた名主・佐々木次郎太夫を称える碑です。彼は「青ヶ島のモーゼ」とも呼ばれ、困難な航海を経て島民を故郷へ導きました。その偉業を後世に伝える史跡で、碑の前に立つと当時の島民の思いに思いを馳せることができます。
東台所神社:ヘリポート近くの森の中にひっそり佇む小さな神社です。かつて島で起きた悲しい出来事(失恋が原因で暴挙に及んだ青年の霊を鎮めるため建立)に由来する神社ですが、現在では縁結びの神様として信仰されています。「祟り神」から「縁結びの神」へと変わったユニークなエピソードを持つ神社で、訪れると不思議な空気感を感じられるかもしれません。
この他にも、島内には大里神社(島の総鎮守)や清受寺(島唯一の寺院、浄土宗)などの史跡があります。観光客向けの宿泊施設は民宿が数軒と村営キャンプ場のみと限られるため、来島の際は必ず事前に宿泊先を確保してください。絶海の孤島で味わう星空や火山の恵みは、他では得難い体験です。青ヶ島ならではのスポット巡りをぜひ満喫してください。
人口が少ない青ヶ島ですが、島ならではの伝統行事やイベントがあります。中でも最大のイベントが**「牛祭り」**です。
青ヶ島の主なイベント】
牛祭り(うしまつり)
時期
毎年8月10日
概要
毎年8月10日に開催される青ヶ島最大の祭りです。古くから畜産が盛んだった青ヶ島では、牛への感謝を込めてこのお祭りが行われます。当日は島を離れて暮らす青ヶ島出身者も大勢帰省するため、島中が一年で一番賑やかになります。神事や伝統芸能の披露、牛にちなんだ催し物などが行われ、観光客も飛び入りで楽しめるアットホームな雰囲気です。毎年デザインが変わる公式Tシャツ「牛T」は牛をモチーフにしたユニークな図柄で、島外にもコレクターがいるほど人気です。島民総出でもてなしてくれる真夏の祭典で、青ヶ島の活気と温かさを肌で感じることができます。
このほか、かつては正月行事として「でいらほん祭」という伝統芸能(仮面を使った豊年祈願の祭り)が行われていましたが、現在定期開催されている主な伝統行事は牛祭りのみとなっています。もちろんお盆や正月には島ならではの行事(盆踊りや年越しの集いなど)があり、島民同士の絆を深めています。規模は小さいながらも、旅人が飛び入り参加すれば大歓迎してくれるのが青ヶ島流。日程が合えばぜひ牛祭りに合わせて訪れ、島の伝統と熱気を体験してみてください。
青ヶ島の住居事情
青ヶ島への移住を考える際、住まい探しは最大のハードルと言われます。島内には住宅が集まる集落はありますが、一般向けの賃貸物件(アパートや貸家)はほとんどなく、空き家も実質的に市場に出回っていない状況です。そのため、民間で借りられる家を見つけるのは非常に難しいのが現実です。島外から単身で移住したい場合、希望するような1Kや1DKの賃貸はまず存在しないと考えてよいでしょう。
青ヶ島村ではこの住宅事情を改善するため、村営住宅(公営住宅)の整備に力を入れています。特に島に必要な人材を受け入れるため、例えば村役場の職員や学校教師、診療所スタッフなどを常時募集しており、その赴任者向けに村営住宅を用意しています。2023年度には新たに村営住宅を1棟建設し、今後も移住者用住宅の建設を進めていく計画があります。村営住宅に入居できれば家賃は比較的安価で、快適な住環境が確保されます。もっとも、村営住宅も空きが出ればすぐ埋まる状況で、「空き待ち」の状態です。
民間の空き家に関しては、島内の親族や縁故をたどって紹介してもらえるケースもゼロではありませんが、老朽化していたり権利関係が複雑だったりする場合が多く、よそ者がいきなり借りられるものではありません。したがって、現実的には青ヶ島で住居を確保するには何らかの公的なポジションに就くか、村と相談しながら住まいを探す必要があります。移住を希望する方は、まず青ヶ島村役場に問い合わせてみると良いでしょう(青ヶ島村公式サイト: https://www.vill.aogashima.tokyo.jp)。役場では移住希望者向けに住情報の提供や相談窓口対応を行っています。
青ヶ島での住まいは木造平屋建ての一戸建てが中心で、いわゆる集合住宅はありません。集落の家々はお互い程よい距離を保って点在しており、のどかな田舎集落の雰囲気です。火山島なので地熱の影響で床下が暖かく、冬でも底冷えしにくいという利点もあります。移住希望者向けに短期の「お試し滞在住宅」を用意する離島もありますが、青ヶ島にはまだそういった施設はないため、下見や滞在の際は民宿や村営キャンプ場を利用しつつ家探しをする形になります。現地に行って島民と交流し、「○○さん家の空いてる離れを貸してもらえることになった」など縁ができて初めて道が開けるケースもあるようです。いずれにせよ、青ヶ島で腰を落ち着けるには住居確保が最大の関門となりますので、計画段階から十分に念頭に置いておいてください。
島内での仕事
青ヶ島での仕事は、島の規模が小さいこともあり限られた分野に集中しています。主な産業は 農林水産業 と 村の行政・公共サービス です。農業では島特産の青ヶ島産黒毛和牛の飼育が知られており、広大な牧場(ジョウマン共同牧場)で放牧された牛からブランド和牛が生産されています。また畑作では明日葉(あしたば)など南島ならではの作物が栽培されています。水産業は周囲が断崖で漁港が小規模なため大規模漁業はありませんが、磯釣りや近海での釣り船チャーターが行われ、島外から渡航して釣りを楽しむ人もいます。沿岸で獲れる魚介や島で育てた野菜は、日々の食卓や民宿の料理で新鮮なまま提供されています。
もう一つの柱が村役場や公共機関での仕事です。村役場には総務、産業、福祉など様々な部署がありますが、常に人手不足傾向にあり、島外から職員を募集しています。実際、青ヶ島の人口の約半分は村外出身の役場職員や教師、建設作業員とその家族が占めていると言われるほどで、行政・公共サービス分野は島の雇用の大きな割合を占めます。学校教師(小中一貫校の教員)、診療所の医師・看護師、保育士なども定期的に公募があり、これらは住宅の手配など手厚いサポート付きで赴任できます。
民間の仕事としては、建設業・土木作業があります。島内のインフラ整備や建築物のメンテナンス、新設工事などのために、建設会社の作業員が島に常駐または出張で来ています。島内に唯一の整備工場があり、自動車整備や運送、廃棄物収集などを請け負っています。また観光業は規模こそ大きくありませんが、民宿が数軒、飲食店や居酒屋が数店ある程度で、これらの経営やスタッフとして働く道もあります。ただ民宿も家族経営が多く、島外から従業員を募ることは限定的です。
近年はインターネット環境の整備によって、リモートワークをしながら青ヶ島に移住するケースも注目されています。2020年に海底光ケーブルが敷設され光回線によるブロードバンドサービスが開始されたことで、在宅勤務で都会の仕事を続けながら島に住むことも技術的には可能となりました。実際に東京都区部と青ヶ島で二拠点生活を送り、IT企業の代表を務めている方もいます。こうしたテレワーク移住者にとって青ヶ島は静かで集中できる環境として魅力があり、村も受け入れに前向きです。
季節的な雇用としては、夏場の観光シーズンに島外からのリゾートバイト(民宿のヘルパー等)を募集することもあります。短期間住み込みで働きながら島暮らしを体験できるため、若者を中心に人気があります。将来的に移住を考えるなら、まずこうしたリゾートバイトに応募してみるのも一つの方法です。
全体として、青ヶ島で安定した仕事を得るには行政関連の職に就くか、自営で農業・畜産業に取り組むなどの道が現実的です。求人情報は東京の島しょ専門のサイトや村の広報で告知されるので、「東京しごとセンター島しょコーナー」や青ヶ島村役場に問い合わせてみると良いでしょう。小さな島ゆえ求人は多くありませんが、その分ニーズの高い分野であれば歓迎される可能性が高いです。「島に必要とされる仕事は何か?」という視点でスキルを活かす道を探ってみてください。
【教育機関について】
青ヶ島には義務教育を担う青ヶ島村立小中学校(小学校+中学校複式校)があります。全校生徒数は非常に少なく、令和5年度時点で小学生・中学生あわせて十数名程度です。複式学級で一人ひとりに目が行き届くアットホームな教育環境となっており、先生方も島の子ども達のために熱心に指導に当たっています。少人数制ならではのきめ細やかな指導や、異年齢の子ども同士が助け合う学習風景が特徴です。校舎は島の地形に合わせ高台に建っており、運動場からは雄大なカルデラと海を望むことができます。島全体が子ども達の学びのフィールドで、総合学習の時間には島内の自然観察や伝統文化の継承など、青ヶ島ならではの体験教育も行われています。
高校は島内にありません。そのため中学校を卒業した子ども達は、進学の際に八丈島や本土(東京の高校や他の島の高校)へと旅立つことになります。島の子ども達にとって高校進学は即ち島を離れることを意味し、親元を離れての寮生活や下宿生活が必要になります。そのハードルを少しでも下げるため、小中学校では生活指導の一環で「交通ルール」に親しませる取り組みもユニークです。島内は交通量が極めて少なく信号機も本来不要な環境ですが、小学校の近くに1基だけ模擬的に信号機を設置しており、子ども達が本土に出たときに信号機の使い方に戸惑わないよう練習しているほどです。島をあげて子ども達の将来を応援している様子がうかがえます。
未就学児向けには青ヶ島村保育所があります。定員に比べて児童数が少ないため待機児童はおらず、希望すればスムーズに入園できます。保育所と高齢者施設が同じ建物内にあり(おじゃれセンター内)、お年寄りと幼児が顔を合わせる機会があるのも家庭的な島ならではの光景です。令和4年度からは保育料が無料化されるなど、子育て世帯への負担軽減策も講じられています。乳幼児健診や予防接種も保健師さんが定期的に行ってくれるので安心です。妊娠・出産に関しては、後述の支援制度にもあるように出産助成金や健診補助が用意され、妊婦さんが八丈島や東京の病院で健診・出産をする際の支援があります。
【子育て支援について】
青ヶ島は島ぐるみで子ども達を見守り育てる風土があり、地域の誰もが名前と顔が一致するような深いつながりの中で**「島の宝」である子どもが育ちます。自然豊かな環境でのびのびと遊び回れる反面、都会のような塾や娯楽施設はありませんので、教育資源は決して多くはありません。しかし不足する部分は島外の学校との交流や、通信教育、タブレットを活用したオンライン学習などで補う取り組みも始まっています。村では島留学**(島外の子が青ヶ島の小中学校に一定期間転入学して島暮らしを体験する制度)も計画しており、子ども達に多様な交流機会を提供しようとしています。
子育て環境としては、医療面や進学面でハードルはありますが、安全で人情豊かな島育児ができる点が魅力です。道行く大人が皆わが子のように声をかけてくれる安心感、兄弟姉妹のように育つ島の子ども達。青ヶ島での子育ては、現代では失われつつある「地域で子どもを育てる」文化が色濃く残っています。
【医療について】
青ヶ島には病院はありませんが、無医村対策として村営の診療所があります。診療所と保健センター、福祉施設を兼ねた「おじゃれセンター」という複合施設内で、医師1名と看護師らが常駐し、日常的な診療や救急対応にあたっています。「おじゃれ」とは島の言葉で「いらっしゃい」という意味で、その名の通り島民が気軽に集える場にもなっています。診療科目は内科・外科の一般診療が中心ですが、必要に応じて月に数回、歯科診療や小児健診などの巡回診療も行われています。
重篤な症状や大きなケガの場合は、八丈島の東京都立病院や本土の医療機関へ緊急搬送が必要になります。幸いヘリコプターが毎日運航しているため、天候さえ良ければ緊急時にはヘリによる医療搬送(ドクターヘリ要請や臨時便対応)が可能です。ただし海が荒れて船とヘリが両方欠航になると一時的に孤立状態になるため、慢性疾患を持つ方は普段から薬を多めに用意する、定期受診は早めに八丈島へ渡るなど自己管理が求められます。「診療所が唯一の医療拠点」という離島環境であることを念頭に、日頃から健康にはより注意して暮らすことが大切です。
【福祉について】
福祉面では、高齢者向けにデイサービスや訪問介護の体制があります。おじゃれセンター内には高齢者サロン的なスペースもあり、日中お年寄りが集まってお茶を飲んだりリハビリ体操をしたりできるよう工夫されています。島内に特別養護老人ホームのような施設はありませんので、常時介護が必要になった場合は家族や地域ぐるみで支えるか、症状によっては八丈島や本土の施設へ入所するケースもあります。ただし青ヶ島の高齢者は自立した元気な方が多く、畑仕事や牛の世話をしているおじいおばあも珍しくありません。島民同士、「困ったときはお互い様」の精神で助け合う伝統があり、近所の高齢者の見守りや声かけは日常的に行われています。
青ヶ島村では医療費の助成も充実しています。子どもの医療費は高校卒業まで村が全額助成しており(東京都の制度と同様)、島民の経済的負担を軽減しています。また、生活習慣病予防のための健康診断は村が主催して年1回無料で受けられます。インフルエンザ予防接種も村の補助で安く受けられるなど、小さな村ながら手厚い福祉サービスが提供されています。


災害時や緊急時の体制についても触れておきます。青ヶ島村では防災無線やコミュニティ放送を通じて、台風接近時の情報や医療搬送が必要なケースでの呼びかけなどを行っています。島民はそれぞれ無線受信機を持っており、何かあれば村役場から一斉に連絡が来る仕組みです。救急搬送が長期間困難な悪天候時には、村役場が衛星電話や通信で医師と連携し、診療所で可能な限りの対応を行います。幸いにも青ヶ島はコミュニティが小さい分、非常時の団結力が強いです。誰かが病気になれば島民総出で支え、必要ならカンパを募って本土の病院に付き添う、というエピソードもあるほどです。
総じて、青ヶ島での医療・福祉は「最低限は揃っているが、本格的な治療は島外頼み」という状況です。行政と住民が一体となって不足を補い、安心して暮らせるよう工夫を凝らしています。移住を考える方は、この医療事情を理解した上で日頃の健康管理に留意することをおすすめします。島には診療所の先生や保健師さんもいますので、困ったことがあれば遠慮なく相談するとよいでしょう。

生活必需品の買い物
青ヶ島では限られた範囲でしかできません。島内には商店が1軒あるのみで、食料品や日用雑貨、酒類などをそこで購入できます。この商店(十一屋酒店といいます)は島民のライフラインで、品揃えも冷凍食品や保存食品を中心によく工夫されています。コンビニエンスストアやドラッグストア、家電量販店の類は一切ありません。そのため、衣料品や専門的な日用品、大型家電など島で手に入らないものは通販や島外でまとめ買いするのが基本です。インターネットや雑誌通販を利用して八丈島や本土から取り寄せることになりますが、船便が天候に左右されるため配達日数は読めません。急ぎのものは八丈島の店に注文してヘリ便で送ってもらう工夫をすることもあります。物流が不安定な分、島の商店では冷凍食品やインスタント食品、日持ちするパン・缶詰類などが豊富に揃っています。島民は天候による欠航に備えて多少の備蓄を常に意識しており、「冷凍庫に食料がたんまり入っていればひと安心」という具合です。最初は不便に感じる買い物事情も、慣れて工夫すれば大きな不自由は感じないとの声もあります。
交通インフラ
前述のとおり、島内に路線バスはありません。移動手段は徒歩、自転車、バイク、自家用車が主体です。島の道路は外輪山の上をぐるっと一周する村道があり、全長は約9kmほど。道幅は狭い部分もありますが全線舗装されています。車の保有台数は限られており、交通量が極めて少ないため信号機は通常不要です(実用上の信号機はゼロ)。集落内の移動なら徒歩でも十分ですが、急な坂道が多いので高齢の方は軽自動車やバイクで移動することが多いです。なお、島にはタクシー会社もありませんが、民宿の送迎車などで融通を利かせてくれることがあります。運転免許は島内でも合宿免許などでは取得できないので、本土であらかじめ取得しておきましょう。ガソリンスタンドも村営の小さな施設が1箇所あるだけで、燃料は定期船で運ばれてきます。価格は本土よりやや高めですが、島内の移動距離は短いので頻繁に給油する必要はありません。
インフラ設備
電気は東京電力パワーグリッドがディーゼル発電により供給しています。島内に発電所と貯油施設があり、24時間体制で安定供給されています。停電も年に数回あるかないか程度ですが、台風で送電線が被害を受けると復旧に時間がかかることもあります。上水道は島には飲める淡水の川や湖がないため、雨水を集めて利用しています。外輪山の斜面にコンクリートを敷いて雨水を集水し、池之沢の「迎沢取水場」という施設で貯留・ろ過して各家庭に配水しています。年間降水量が多いおかげで水不足になることはほとんどありませんが、長い晴天続きの際は節水が呼びかけられることもあります。青ヶ島の水道水でユニークなのは、水道水がやや温かいことです。火山島の地熱の影響で水源近くの地面が温められているため、水道から出る水が年間通じて20~30℃くらいになっています。夏場は少しぬるま湯っぽく感じるかもしれませんが、飲用には問題なく、気になる場合は冷蔵庫で冷やしたり湧水スポットの水を汲んだりして工夫しています。
通信環境
通信環境は離島とは思えないほど整備が進んでいます。2020年に海底光ファイバーケーブルが開通し、NTT東日本のフレッツ光など超高速ブロードバンドが利用可能となりました。島内の全世帯で光回線インターネットに接続でき、リモート会議や動画視聴も概ね支障なく行えます。携帯電話もNTTドコモを中心に電波が入ります(ソフトバンクやauも最近サービスエリアになりました)。ただし場所によっては電波が弱い箇所もあるため、島民は必要に応じて中継アンテナを設置したりしています。また、青ヶ島村では行政放送用にケーブルテレビ兼コミュニティチャンネルを運営しており、島内向けに役場からの広報や行事の様子をテレビで流しています。郵便局も1局あり、ゆうちょ銀行のATMで基本的な金融サービスが利用できます。民間の銀行支店は無いので、給与振込口座などはゆうちょやネット銀行を利用する人が多いです。
生活インフラの制約
ゴミ処理は島内に焼却炉と埋立処分場があり、可燃ゴミは焼却、不燃ゴミは基本的に島で埋め立て処理しています(大型ゴミは船で八丈島に搬出)。上下水道は簡易水洗式で、浄化槽処理した上澄みを海に放流しています。温泉はありませんが、各家庭のお風呂で地熱温水を沸かして入浴できます。島内には住所表示に「字(あざ)」や「番地」が存在せず、**役場の所在地も「東京都青ヶ島村無番地」**と表記されます。これは島が小さく郵便配達区域も一つしかないためで、住民宛の郵便物は氏名と「東京都青ヶ島村 無番地」で届いてしまいます。初めて聞くと驚きますが、島では番地がなくても不便はありません。
以上のように、青ヶ島での生活インフラは都会とは大きく異なります。物資は限られ、交通も不便、水や電気も自前で工夫して確保する必要があります。しかしその反面、最新の通信環境が使えたり、島ならではのユニークな工夫があったりと、**「ないものはない、あるものを活かす」**知恵が根付いています。移住希望者はこのインフラ事情をよく理解した上で、「不便を楽しむ」くらいの気持ちで来ると青ヶ島の暮らしを満喫できるでしょう。
青ヶ島村および東京都は、離島での暮らしを支えるため様々な支援制度や補助制度を用意しています。移住希望者や島民が利用できる主な制度をいくつか紹介します。
移住支援住宅の整備:前述のとおり、青ヶ島村では移住者向けの村営住宅を順次建設中です。新規採用の村職員や教員には住宅をあっせんし、家賃補助も行っています。今後も空き家バンクの整備や住宅建設費補助など、住まい確保の支援拡充が検討されています。
就業支援・相談:東京しごとセンターや島しょ人材バンクを通じて、離島求人情報の提供や就職相談が受けられます。青ヶ島村役場でも移住定住相談窓口を設けており、移住希望者からの仕事相談や村内の求人紹介を行っています。また、島で起業したい人向けに東京都の離島起業支援事業などの助成金も活用可能です。
交通費補助:東京都の制度で、島民が定期的に本土に出る際の交通費を一部補助する「島しょ住民割引運賃」があります。たとえば東海汽船の船賃や航空運賃が割引料金で利用できる制度で、島民は安価に八丈島や東京へ往来できます。また、医療受診や出産で島外に長期滞在する場合、旅費の補助や村営住宅を留守にする間の家賃減免など配慮がなされることもあります。

子育て支援:青ヶ島村独自の子育て支援策として、出産助成金と妊婦健診渡航費助成があります。出産助成金は島で出生届を出した場合に支給される祝い金で、新生児一人につき定額が支給されます(※金額は年度によって変わるので要確認)。また妊婦さんが健診や分娩のため島外(主に八丈島や本土)の医療機関に通う際の旅費・宿泊費を一部補助する制度があります。保育料の無料化、児童手当の支給、子どもの医療費無償化など、経済的負担を軽くする施策も揃っています。
教育支援:中学卒業後に島外の高校等へ進学する生徒に対して、東京都島しょ奨学金制度が利用できます。高校進学時の旅費支給や、下宿先の紹介、島外通学定期券の割引なども受けられます。また青ヶ島村では、島外の高校・大学に進学した元島民のUターンを促すため、インターンシップ受入れや村役場での就業体験プログラムを用意しています。小中学校のICT教育充実にも国・都の補助を活用し、タブレット端末の整備が進められています。
医療・介護補助:島民の医療費自己負担分について、子どもは全額村負担、高齢者も高額医療費の助成があります。介護保険サービス利用料も離島加算があり、東京23区と比べ利用者負担が軽減されています。また、要介護者が島外の介護施設に入所する際の一時渡航費補助などもあります(ケースバイケースで村が対応)。
暮らしの補助:島ならではの補助として、雨水利用の上水道料は基本無料(事業所除く)で使えます。住宅リフォーム補助金もあり、老朽住宅の修繕や耐震化に補助が出ます。さらには、自治会活動費や防災備蓄品購入費の補助など、細やかな支援策が整えられています。東京都が実施する「離島航路利用補助券」の配布もあり、島民は年数回まで東京~八丈島間の船や飛行機を無料または格安で利用できる取り組みもあります(※年度・財政状況により変動あり)。

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